Haeundae
「非日常求め、海に行こう」
「今月は海特集なので釜山の海の魅力を書いてほしい」。ダイナミック釜山編集部から依頼があった。実は私、3月に着任したばかり。夏のハイシーズンを未経験なのにむちゃだと思ったが、何でも安請け合いする性格が災いし、このコラムを書くことになった。ですから読者の方々。少し温かい目で読んでください。
みなさんは「カルメッキル」をご存じだろうか。釜山市内のビーチや市場、映画撮影所など観光地をたどるウオーキングコースである。9コース(全長263キロ)あるらしいが、私は広安里海水浴場から海雲台海水浴場までの海辺をひたすら歩くコース(約10キロ、徒歩で3?4時間程度)が気に入っている。もう、すでに3度も歩かせてもらった。
このコースの魅力は、日本ではなかなかない海の風景を楽しめることだ。例えば東西に約2キロの白いビーチが続く海雲台。海辺にはカフェやバー、ホテルが並び、西側には超高層ビル群がそびえる。南の島のリゾート地をほうふつとさせるのだが、近くには小さな食堂が並ぶ海雲台市場や海鮮屋台街もあり、懐かしい雰囲気も残す。そのギャップがまた面白い。潮の香りを感じながら、こうした風景を散策するのが好きなのだ。ちなみに市場のヌタウナギのピリ辛炒めはビールに合い、ウオーキングの最後の楽しみになっている。
GWも、上司が日本から遊びに来たので案内した。無類の登山好きである上司は最初「山に登ろう」と渋っていたが、広安里から歩き出したら「海も良いな」と、ずっと写真を撮り続けていた。
旅で重要なのは、非日常の体験だと思う。昨今の円安で海外旅行は割高感があるが、旅先での体験はお金には換えられない。いよいよハイシーズンを迎えた釜山の海。私も未経験だが、何か楽しい事が起こりそうである。非日常を求めて海辺に行きましょう。
井崎圭
西日本新聞社国際部
釜山駐在記者
<資料提供:: ダイナミック釜山 >