Haeundae
“韓国のサントリーニ”甘川文化マウル、世界から熱い視線
迷路のような路地のあちこちにキュートなオブジェ
一巡り3時間・・・スタンプ集めて記念はがきをもらおう
釜山で異色の観光地を1カ所挙げるとしたら外せない場所がある。甘川(カムチョン)文化マウル(村)だ。1950年代初めの朝鮮戦争当時、避難民が苦労しながら暮らしていた貧しい地域が、釜山市や地域のアーティスト、住民の協力により、今では年間約29万人が訪れる人気の観光地に生まれ変わった。海外のメディアからも「アジアでもっとも芸術的な村」(米国の放送局CNN)、「迷路の先にある芸術の村」(フランスの新聞ル・モンド)などと高く評価されている。そんな異色の観光地・甘川文化マウルを歩いてみた。
1月中旬、厳しい寒さをものともせず、観光客は興味深そうにマウル内を散策していた。青・黄・水色・ピンクなどカラフルなペンキで彩られた箱型の家々が、山の斜面にぎっしりと軒を連ねている。どの家にも屋上には青色の水タンクが設置されており、箱型の家と円柱形の水タンクが独特の造形美を生み出していた。
甘川文化マウルの入口から、マウルの情報センター「ハヌルマル」(電話070-4219-5556、ホームページhttp://cafe.naver.com/gamcheon2)までの道沿いには、さまざまな芸術作品が設置されていた。
「ハヌルマル」の屋上展望台からはマウル全体が一望できるだけでなく、甘川港や、玉女峰(オンニョボン)、天馬山(チョンマサン)の峰々も見渡せる。色とりどりの家々や縦横に入り組む路地の様子は、まるでおもちゃのブロックを組み合わせたかのように整然としていた。
マウルの散策を始める前に訪ねたのは「カムネカフェ」。マウルの住民が運営するカフェで、コーヒーやアイスティー、パッピンス(小豆のかき氷)などが2千?4千ウォンで販売されている。店内はテーブルが6つだけと広くはないが、小物類でかわいらしく飾り付けられている。
さて、いよいよ散策開始。くねくねと曲がる路地はまるで迷路のようだ。しかし、行き止まりになることはなく、道はどんどん先へと続いていく。どの路地にも行き先案内板が設置されているので、初めての人でも分かりやすい。
現在、空き家になっている家は、アーティストがギャラリーとして使っており、観光客の休憩所としても活用されている。昔の銭湯をリフォームして作った市民文化センター「カムネオウルト」では、個性あふれるオブジェが訪れる人を出迎える。
はるばるソウルから甘川文化マウルを訪ねてきたという大学生は「とても素敵な場所なので立ち去りがたいですね。釜山最高の観光地と言えるでしょう。外国の人たちにも気に入ってもらえると思います」と微笑んだ。
世界に誇れるすばらしい風景の甘川文化マウル。各国からの人々とともに笑い、思い出を共有する美しい芸術空間だった。
甘川文化マウルをしっかり見て回るには約3時間かかる。傾斜のきつい坂道が多いので、歩きやすい運動靴を履いていくのをおすすめする。
甘川文化マウル観覧ポイント
▲「ハヌルマル」で地図(2千ウォン)を購入し、スタンプツアーに挑戦するのも楽しい。マウル内にあるすべてのスタンプポイントでスタンプを押せば、「ハヌルマル」か「カムネオウルト」で記念はがきを2枚もらえる。
▲マウルの全景を一望するには「カムネオウルト」の展望台がおすすめ。陶磁器工房・繊維工房・木工房では体験プログラムも実施されている(5千?1万5千ウォン)。参加希望者は甘川文化マウルのホームページ(gamcheon.or.kr)で事前に予約する。
▲エチケットを守って観覧しましょう。マウルで暮らす住民の日常生活を妨害しないよう、大きな声で話したり、プライバシーを侵害する写真を撮ったりするのはやめましょう。マウルの見学時間は午前9時?午後6時。
<資料提供:: ダイナミック釜山 >