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コロナ禍でも釜山での留学生活を賢く満喫中です! -写真はヒンヨウル文化村の全景 [インタビュー] 日本人留学生 丸岡優茄さん 新型コロナウイルスの感染拡大が世間に与えた打撃は周知の事実だが、中でも最も困難な状況に置かれているのは留学生だといえる。彼らも例外なく不要不急の外出自粛やマスク着用を徹底するなど、個人の衛生管理に細心の注意を払っている。このような留学生を応援しようと、釜山広域市と釜山国際交流財団は、7月から財団の公式YouTubeチャンネル「賢い留学生活」を運営中だ。コロナウイルスによって日常生活に一定の制限がかかった外国人留学生に、さまざまなお役立ち情報を提供している。この動画には日本人留学生・丸岡優茄さんが出演中。丸岡さんは熊本県出身で、韓国語を勉強するため2016年に釜山へやって来た。釜山在住5年目で、現在釜慶(プギョン)大学のグローバルビジネス学科に在籍中だ。新型コロナウイルスの感染拡大や韓日関係の悪化など、周りの環境が少なからず影響を受ける中、釜山での留学生活にはどのような変化があったのか。丸岡さんに留学生の視点から見た釜山の生活と印象について聞いてみた。 丸岡さんがヒンヨウル文化村で撮った写真。Q.なぜ留学先に釜山を選んだのか。A.地方の出身ということもあり、活気のある釜山の雰囲気が気に入りました。九州出身なので、日本の実家から近いのも理由の一つです。また、標準語よりも方言を学びたかったので、魅力的な釜山の方言が決め手になりました。来たばかりの頃は人々のアクセントが強烈で、とても早口に感じましたが、それでも標準語より方言のほうがはるかに情があり、今ではすっかり釜山の方言にも慣れました。Q.新型コロナウイルスや韓日関係の悪化などでご両親が心配しているのではないか。A.両親は心配していますが「政府間の問題なので、個人の力ではどうしようもない部分だ」と言っていますし、「やりたいことを最後までやり遂げなさい」と応援してくれています。そう言ってくれたおかげで、留学生活も続けてこられました。それに、釜山の人は優しい人ばかりなので、日本人だからという理由で差別を受けたり、飲食店などで出入りを断られたりしたことはありません。Q.釜山の印象はどうか。A.釜山に初めて来たときは、繁華街の西面(ソミョン)や海雲台(ヘウンデ)に高層ビルが建ち並んでいて、街中はとてもにぎやかだったので本当に驚きました。活気にあふれ、常に変化を続けているので、首都のソウルと大差がないと思いました。特にこの3年の間に市内郊外の機張(キジャン)エリアの海岸沿いには大型リゾートも建てられ、さらなる発展を遂げていると思います。Q.新型コロナウイルスの事態発生後、留学生活はどう変わったか。A.大学側が常に細心の注意を払ってくれていると感じています。学校から毎週連絡があり、留学生たちに発熱などの症状がないかチェックしています。日常生活は自粛の連続です。2月から物を買うときはインターネットショッピングを使い、外出も控え、外出時は必ずマスクをつけています。学校の授業はインターネットを使ったオンライン授業しか行われておらず、少し残念です。Q.今後の計画は。A.新型コロナウイルスの感染拡大が落ち着いたら、釜山で一番お気に入りの場所「ヒンヨウル文化村」をゆっくり歩いて回りたいです。卒業後は韓国と日本を橋渡しするような仕事をしたいと思っています。これまでに飲食店や公共交通機関、街中で出会った韓国人はみんな親切でフレンドリーでした。地理的に最も近く、お互いを理解しやすいのが韓日両国の人たちではないかと思います。常に対話を心がければ、以前より離れてしまった心理的距離を縮めることができるはずです。私もその歩み寄りに一役買いたいです。
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見どころ満載のエリア「影島」…ぜひ一度ご堪能あれ! 影島観光案内センター2階「影島近代歴史展示室」をリニューアルオープン 近年、ヒンヨウル文化村などの名所で注目を集めている釜山広域市の観光地・影島(ヨンド)は、釜山港から釜山に入る際、西側に位置する島だ。ここには天から降りてきた仙人が住んでいたという伝説のある「蓬萊山(ポンネサン)」を中心に、古い言い伝えや物語も多い。最近では釜山港と海が一望できるカフェやレストランなどが島内のあちこちに点在し、以前より観光客が訪れている。-釜山広域市の影島にまつわるさまざまな言い伝えが聞ける「影島観光案内所」が新しくオープンした(写真はリモデリングした案内所2階の内部と、文化観光ガイドが影島を案内している様子)。市は影島を訪れる人々に島の歴史に触れてもらおうと、「影島ウェルカムセンター」を運営している。8月1日、市は内部施設の補強や観光コースのPRスペースを設けるなどし、同センターをリニューアルオープン。1階は観光案内センター、2階と3階は影島の歴史と近現代史などが鑑賞できる空間となっている。影島は近代、日本の中村造船所や田中造船鉄工所を中心に、造船関連産業の盛んな地域だった。市は当時の姿を振り返られるよう地図とガイドブックを製作。9月からは地図中の場所をガイドと一緒に歩いて回り、その地域の説明が聞けるツアープログラムも開始する。ツアーコースは影島ウェルカムセンターを出発し、旧渡船場、木工所通り、練り物で知られるサムジンオムク、近代商業通りを回るAコース(約1.5㎞、所要時間約40分)と、カンカンイ案内センター(遊覧船乗り場)から出発し、中村造船所、田中造船鉄工所、造船所通りなどを回るBコース(約1.5㎞、所要時間約40分)の2コース。ツアーの申し込みは影島区ホームページ(www.yeongdo.go.kr)の「文化観光解説師申請サービス」で受け付けており、参加希望者が10人以上となった場合に9月1日から実施となる。参加希望者は、ツアー開始10日前までに申し込みが必要となる。今回のツアー実施は試験的なもので、参加者の反応を見た後、常時実施するか否かを決定する。○影島ウェルカムセンターへのアクセス:影島大橋を渡り、バリューホテルの横道を通過。海岸沿いの道路に沿って約200m進むと、ラバルスホテルの向かいにある。 ※QRコード添付。○問い合わせ先:051-419-4048
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高架下に新たな複合文化施設「ビーコングラウンド」が誕生 複数のコンテナが彩る空間…文化、芸術、ショッピングなど多彩に楽しめる 釜山広域市は高架道路下の空き地を活用し、芸術活動や買い物、文化活動を楽しめる若者向けの空間「ビーコングラウンド」を造成した。同市水営(スヨン)区望美洞(マンミドン)の水営高架道路下に位置する「ビーコングラウンド」は8月7日、施設の一部がプレオープンした。開業したのは、商業施設の一部と創業空間(青年ソーシャルベンチャー)、文化空間(アーティストの創作、展示空間)。使用されているコンテナは2階建てで、敷地の総面積は1990㎡。コンテナには色鮮やかなペイントを施し、くすんだ高架道路下が華やかに生まれ変わった。ビーコングラウンドは釜山(Busan)のアルファベット頭文字「B」と、「収容」を意味する英単語のコンテイン(Contain)から取った「Con」を合わせた造語。「釜山の感性と文化を収容した場所、空間」「釜山にあるコンテナ」という二つの意味を持ち合わせた、地域の特性を生かした名称だ。-ビーコングラウンドの外観施設の概要は以下の通り。▲住民向けの会議室と休憩室 ▲芸術創作空間とファミリーレストランが入店したファミリーデック(親子連れ向けスペース) ▲運営事務室とイベント空間のあるビーコンスクエア ▲商店が入ったショッピンググラウンド ▲野外イベント空間のプレイグラウンド ▲青年ソーシャルベンチャー企業が入ったアートギャラリー六つの区間で全体の個室数は計51カ所。誰でも自由に入ることができる。-ビーコングラウンドを拠点に活動するアーティスト-敷地内の親子連れ向けスペース現段階では企業が未入店の空間もあるが、利用客に向けた休憩スペースやカフェなどの店舗が入居し、9月上旬に正式オープンする。市は人が少なく静かだった同施設の周辺地域を若者中心の活気あるエリアに生まれ変わらせ、市の新たなランドマークにする狙いがある。都市再生効果はもちろん、ビーコングラウンドを中心に付近の複合文化施設「F1963」や水営八道市場などの伝統市場と連携し、より多くの見どころを増やしていく。○アクセス:都市鉄道3号線望美駅2番出口を出て、水営高架橋の下に入る。
釜山を楽しむ
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ヒーリングコース「回東水源地 生態探訪路」 土の道を裸足で歩く心地よさを体感してみよう -釜山市民の「水瓶」のうちの一つで、回東水源地の周辺には黄土森の道、ヒノキ林散策路、湿地観察ボードウォークなどがある(写真は黄土森の道を裸足で歩く市民)。・コース:タンメ山黄土森の道~竹林~プオン山展望台・所要時間:約2時間釜山広域市は中心街から少し離れただけでも美しい海や緑豊かな森、澄んだ水が流れる渓流がある。今回紹介する回東(フェドン)水源地も、都市鉄道1号線の長箭(チャンジョン)駅からバスで10分ほどの距離だ。比較的アクセスしやすい場所にあるものの、釜山市民でも知らない人がいるなど、知名度はそこまで高くない。今月は静かで落ち着いた癒しスポットの多い「回東水源地 生態探訪路」を紹介する。終わりそうで終わらないコロナ禍の中、息が詰まる日常生活の気分転換に一度出かけてみてはいかが。 〈文・河那恩 写真・権晟勲〉都市鉄道長箭駅からバスで約10分釜山市民の上水源「回東水源地」回東水源地は同市金井(クムジョン)区内の山中にある人造湖で、市民の飲み水を供給する釜山の「水瓶」だ。1940年代から造成が始まり、1967年に完成した。総面積は約2.17k㎡で貯水量は約1850万トン、湖の周囲は20kmにもなる。用水の供給を中断した市内の聖知谷(ソンジコク)水源地とは異なり、金井区と海雲台(ヘウンデ)区一帯に水を供給している。ここは保護区域として長年立ち入り禁止となっていたが、2010年に市民に公開されている。-竹林の道中にある運動器具。釜山市は2013年から、回東水源地の周辺を歩けるように散策路の開発を進めてきた。裸足で歩く黄土森の道やヒノキ林散策路、湿地観察ボードウォークなどを造成。今年6月には五倫洞(オリュンドン)のタンメ山黄土森の道からプオン山展望台まで約2kmの「生態探訪路」が完成し、気軽に散策が楽しめるようになった。最近では韓国観光公社や釜山観光公社が、この一帯を釜山を代表する癒しの非対面観光地に選定している。都心の澄み切った公園、空気が違う!都市鉄道1号線長箭駅の4番出口前から、五倫本洞村行きの「金井区5」のマウルバス(運行距離の短い地域バス)に乗車すると、生態探訪路の入り口前で止まる。バスの運行時間は約25分おきに一本。曲がりくねった道を10分ほど走ると、バスは終点の「五倫本洞村」に到着する。今回のコース出発点となる黄土森の道入り口までは歩いて約3分。短い距離だが、道中に「五倫洞にまつわる伝説」が壁画で描かれるなど訪問者を楽しませる工夫がされている。ここは「回東水源地」が正式名称だが、別名「五倫台(オリュンデ)」とも呼ばれる。五倫台は元々プオン山のふもとにある大きな岩のことを意味していたが、最近では回東水源地全体を指して使われることが多い。-神秘的な雰囲気を醸しだす竹林。「五倫台」の名前の由来は、諸説ある。一つ目はこの場所の美しい風景に魅せられ、天から舞い降りた五人の仙人が杖を地面に差したまま遊んでいたという説。もう一つは、昔この一帯の村に儒教の教えで知られる五倫(父子の親、君臣の義、夫婦の別、長幼の序、朋友の信)を守った人が暮らしていたという言い伝えから、「五倫台」と呼ばれていた説だ。壁画には前者の説を扱い、仙人の話が描かれている。伝説では5人の仙人が舞い降りたと言われているが、壁画には4人しか描かれていない。壁画を見る人が5人のうちの「一人」という意味で、4人の仙人の間に入って写真が撮れる「フォトゾーン」となっている。歩き疲れた足をひと休みさせる、柔らかな土で造成された「黄土森の道」タンメ山の黄土森の道は約1km。黄土の道を整備し、道の終着地には足を洗える場所もあるため、裸足で歩きながら土の柔らかさを感じられるのが特徴だ。平たんな道なので、子どもからお年寄りまで誰でも無理なく安全に散策が楽しめる。脱いだ靴を片手に持ったまま黄土道を歩くと、ひんやりとしていて、きめ細かい土の感触が伝わってくる。右手には手を伸ばすと届きそうな湖、左手には自然のままに根付いた木々の林が続く。道中の椅子や東屋(あずまや)に座って休めたり、カブトムシやトンボなどのオブジェと写真が撮れたりするポイントもある。森の作り出す影と湖の方から吹いてくる風のおかげで涼しく、歩くだけでも癒される。坂道を登った後に現れる、五倫台展望台-山水画のような風景が一望できるプオン山の頂上。黄土森の道を過ぎると、再び靴を履いて歩くコースの始まり。ボードウォークで作られた湖の周りを通り過ぎたところに、広大な竹林の入り口がある。竹林は晩夏の熱気をシャットアウトしてくれる、正に「天然のカーテン」だ。竹林が終わりに近づくころ、道は険しさを増してくる。ここからはプオン山の頂上(展望台)までの道が続いており、黄土森の道と竹林の難易度が「低」なら、プオン山の山道は「高」。かなり険しいが、頂上までの距離はさほど離れておらず、大人の足でゆっくり歩いて20分もかからない。道自体は険しいが、あまり日が差さないので歩くのにはちょうどいい。海抜175mのプオン山頂上に着くと、回東水源地全体の風景が一望できる。朝鮮半島の地形を思わせる曲がった形の湖と周囲の山々は神秘的で美しく、仙人と五倫洞の伝説にもふさわしい光景が眼前に広がる。プオン山の頂上から下山するコースは二つ。水源地村方向に下ると、水源地内にある他の散策コースの出発点「上賢(サンヒョン)村」に続く道。反対方向に向かえば、五倫本洞村バス停留場に続いている。○五倫本洞村へのアクセス:都市鉄道1号線長箭駅4番出口前からマウルバス「金井区5」に乗車し、五倫本洞村(終点)で下車。【回東水源地を楽しむ他の方法】1. 釜山シティツアーバスの歴史テーマコースに乗車釜山市が運営する「釜山シティツアーバス」に乗ると、簡単に水源地まで行くことができる。これは今年7月から開始された、東莱邑城(福泉博物館)<トンネウプソン、ポクチョン博物館>や回東水源地、梵魚寺(ポモサ)を一度に巡る歴史テーマコースを回るバスだ。このコースは午前10時に釜山駅を出発し、東莱邑城、回東水源地、梵魚寺、東莱温泉を回り、午後5時10分頃に釜山駅に戻る。東莱邑城で約1時間10分、回東水源地で約1時間30分、梵魚寺と東莱温泉で各1時間ずつ自由時間を設ける。停車中、利用者とガイドが一緒に登るタンメ山黄土森の道の裸足歩きや竹林散策など、水源地を満喫する時間や文化観光ガイドが案内する梵魚寺ツアーなども楽しめる。歴史テーマコースは8名以上の事前申し込みがあった場合のみ催行する。利用料金は大人1人2万ウォン(約1780円)で、他のシティツアーバスのコースとは金額が異なる。釜山シティツアーのホームページ(www.citytourbusan.com)で事前予約した後、利用できる。毎週月曜日は定休日。現在は新型コロナウイルス感染拡大の影響で運行を停止中。感染状況が落ち着けば再開を予定しており、利用前に確認が必要。問い合わせ:051-464-98982. 癒しの回東水源地で楽しむ遠足旅行ホームページから申し込み金井区は今年11月まで回東水源地の一帯で美しい自然とさまざまな活動が楽しめる生態テーマ観光プログラム「回東水源地 遠足旅行」を運営中。主要プログラムは以下の通り。△鳥類の専門家と回東水源地生息のさまざまな渡り鳥と留鳥を観察する「渡り鳥と留鳥と」 △天然素材を用いて染色剤とオイルを手作りする「オムルタッ、チョムルタッ」 △綱遊びの専門家と楽しむ「森の中で綱遊び」 △鳥の卵を使って小物を作る「鳥卵お絵かき旅行」 △ヨガと瞑想を体験する「森と体」 △森の生態についての話と森の体験活動「生態、遊ぼう」 など。参加費はプログラムによって異なるが、無料~3000ウォン(約270円)程度。申し込みは回東水源地の遠足旅行ホームページ(gohoedong.com)から。問い合わせは051-343-9698まで。該当の各プログラムは、新型コロナウイルスの感染拡大による「社会的距離の確保 2段階」以上は運営を中断するため、事前の確認が必要となる。3. 週末、常時観光ガイドサービスを実施 金井区は毎週土曜日と日曜日の午前10時~正午、タンメ山の入り口と上賢村の入り口で常時観光ガイドサービスを行っている。問い合わせは金井区文化観光課(051-519-4084)まで。
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静かな癒しの空間で、今にもこぼれ出そうな夜景を眼下に ワイドアングルで見る釜山 天馬山エコハウス照りつける太陽にうんざりする季節。〝350万人都市〟釜山の夜景を眼下に収め、心も体も涼やかになれる「隠れ家的夜景スポット」が人気を集めている。釜山広域市西区の天馬山(チョンマサン)の山腹に位置する「天馬山エコハウス」は、最近写真愛好家や観光専門家から高評価を受け、会員制公式サイト(SNS)でも話題。8月中旬までは無料で映画上映を開催する。知る人ぞ知る絶景を楽しめるスポットを、あなたにだけ、こっそり紹介しよう。 -釜山広域市西区が建てたゲストハウス「天馬山エコハウス」は、釜山港の全景を楽しめる宿泊施設。ここでは8月16日まで毎晩、無料で映画を上映中(写真は野外テラスで行われている公演を楽しむ市民と、映画上映中の様子)。 山腹道路の中腹に位置するゲストハウス躍動感ある美しい釜山港の景観を一目で「天馬山エコハウス」は、太陽光発電や太陽熱温水、雨水などを利用した地球に優しいゲストハウス。2015年に釜山市西区が建設し、地元企業が運営している。最大の売りは、眼下に広がる釜山の夜景だ。すぐ下には山腹に建つ民家、遠景には釜山港大橋(プサンハンテギョ)、影島大橋(ヨンドテギョ)、北港大橋(プッカンテギョ)などが一望できる。夜の街が織りなすネオンのじゅうたんとライトアップされた釜山港が調和し、華やかなショーを見ているような気分になれる。客室は6人部屋から最大16人まで宿泊可能な部屋までの4種類で、6人部屋は1人からの利用も可能。宿泊料は利用者の多い7、8月は12万ウォン(約10700円)~24万ウォン(約21400円)。炊飯器や電子レンジ、鍋、食器などはそろっているため、食材や飲み物を持ち込むだけでOK。予約は現地で直接するか、電話(070-8917-1503)で。エコハウスの屋上テラスは宿泊なしでも無料で利用でき、家族連れやグループで利用する人も多い。建物の外に伸びるハヌル散策路は、のんびりとした雰囲気の中、美しい景色を眺めながら展望台まで散策でき、夏の夜を静かに楽しむのに打ってつけだ。映画を見ながらゆったりとくつろぎの時間山腹道路の屋上月光劇場で8月16日まで-天馬山エコハウス8月の利用客には、エコハウスをより楽しめるイベントもある。午後8時から野外テラスで無料映画上映会「2020 山腹道路 屋上月光劇場」を8月16日まで開催中。「屋上月光劇場」は釜山国際短編映画祭の関連プログラムで、同映画祭の上映作をはじめ、ヒューマンドラマやドキュメンタリーなどさまざまな短編映画を上映している。観覧料は無料。宿泊をしてもしなくても、利用客なら誰でも観賞できる。上映開始時間は毎週火~日曜日の午後8時で、月曜日は休館。上映作の関連情報は、釜山国際短編映画祭の公式ホームページ(www.bisff.org)を参照。○住所:釜山市西区天馬山路342○アクセス:都市鉄道1号線土城(トソン)6番出口を出て、マウルバス沙下区1-1か西区2に乗車。 峨嵋洞(アミドン)公営駐車場停留場で下車し、徒歩8分ほど。
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木が生い茂った静かな公園で、ゆったりとひと休み Enjoy Busan 釜山観光公社おすすめの非対面観光地 -多大浦海水浴場ではサーフィンを楽しむ人も多い。新型コロナウイルスの世界的大流行を受け、観光は新たな局面を迎えている。これまでの人で混み合う観光地ではなく、静謐(せいひつ)な場所で心豊かな時間を過ごす「非対面観光地」が流行の兆しを見せており、韓国の観光業界でも高い注目を集めている。釜山観光公社はこの動向に合わせ、他人と距離を取り、ゆったりと「私」や「家族」だけの時間を過ごせる場所を開拓中。7月には釜山広域市内のお勧めスポット9地点を選定した。選定されたのは次の9地点。▽回東(フェドン)水源地▽九徳(クドク)野営場▽大渚(テジョ)生態公園▽釜山治癒の森▽アミル公園▽長山(チャンサン)▽UN記念公園・平和公園▽荒嶺山(ファンニョンサン)▽多大浦(タデポ)海水浴場これらのスポットは市内中心部から離れた場所が多く、交通の便がいいとは言えないが、いずれも澄んだ空気や色濃く残った自然の魅力を感じられる。今月のダイナミック釜山ではこの中から、これまであまり知られておらず、事前予約も要らない4カ所を紹介しよう。□釜山最大の湖、回東水源地 回東水源地は、同市金井(クムジョン)区にある釜山最大の人造湖だ。一周約20kmの貯水池として、釜山市民に飲み水を供給する上水道の水源地。1964年に上水道保護区域に指定され、市民の出入りが禁止されていたが、市が湖に沿ってトレッキングコース「カルメッキル」を整備。2010年から市民に公開されている。緑豊かな森と空気の澄んだ自然環境が、釜山市民の間では穴場の癒しスポットとして徐々に認知されてきている。最近では近くにレストランや雰囲気のいいカフェも建ち始めている。 -回東水源地の竹林。写真提供・金井区近くのヒノキの森で森林浴をすると、心も体もリフレッシュできる。柔らかな土で造成された道もあり、裸足で歩けるため、子どもたちと楽しむのもいい。この道のある地区から、プオン山の展望台まで約2kmにわたって造成された生態探訪路には、竹林や遊歩道、東屋(あずまや)などが整備されており、年齢を問わず誰でも歩きやすい。入場料無料。○住所:釜山市金井区仙洞121○アクセス:都市鉄道1号線の久瑞(クソ)駅2番出口からマウルバス「金井区3-1」に乗車し、上賢(サンヒョン)マウルで下車。□癒しの空間「釜山治癒の森」心身ともに疲れているとき、思い浮かぶのは美しい自然のある場所。韓国政府と各自治体は、心と体を癒してくれる「治癒の森」を韓国各地に造成しているが、釜山市機張(キジャン)郡の鉄馬(チョルマ)地区にも「釜山治癒の森」がある。「治癒の森」とは木々から放たれる香りや景観など、人体の免疫力を高めて健康を増進させるさまざまな効能を盛り込み、造成された山林。「釜山治癒の森」は総面積約150万㎡の森で、2017年に完成した。入り口の訪問者センターからは、ボードウォークと未舗装の道からなる中央散策路が伸びており、道沿いには図書館や休憩所、瞑想所などが設けられている。森の中に流れる渓流に足を浸して遊んでも楽しい。入場料無料。○住所:釜山市機張郡鉄馬面鉄馬川路101○問い合わせ:051-976-2831○アクセス:都市鉄道1号線梵魚寺(ポモサ)駅2番出口を出て、マウルバス「機張郡2-3」に乗車し、「釜山治癒の森」停留場で下車。□国立海洋博物館とアミル公園 -アミル公園内の様子。釜山市の影島(ヨンド)にある国立海洋博物館の東側に位置する「アミル公園」は、釜山港北港の開発の際に出た浚渫土(しゅんせつど)で造成した埋め立て地にある公園で、縦約600m、横約38mの芝生の広場がある。公園の名前は、博物館近くの旧地名「駒龍洞」(クリョンドン)に由来。韓国語で「駒」を意味する「マンアジ」の「ア」と、「龍」を意味する古語「ミル」の音を取って名付けられている。公園内の芝生の両側には散策路があり、ひと休みにぴったりの長ベンチも置かれている。道沿いにケヤキやエノキが立ち並び、パーゴラ(植物のつるをはわせた藤棚に類似したもの)、照明施設、公演会場なども整備されている。影島を訪れるほとんどの人は代表的名所である国立海洋博物館を見学して帰るため、ここは市内の中心部から比較的近いが、意外にあまり知られていない穴場。ここから見える釜山港の風景は見るだけの価値があり、お勧めだ。入場料無料。○住所:釜山市影島区東三洞1165○アクセス:都市鉄道1号線南浦(ナンポ)駅6番出口を出て、中区観光案内所の先にある影島大橋停留場から66番の市内バスに乗車し、国立海洋博物館で下車。□平和について考える場所…UN記念公園、平和公園 -平和公園内の戦没者名が刻まれた石碑。釜山博物館近くの「UN記念公園」と「平和公園」は、整備された都心の公園として、ひと休みするのにちょうどいい。UN記念公園は6・25戦争(韓国戦争)に参戦し、戦死した計11カ国の国連軍の兵士2309人が眠る場所で、総面積は約11万3700㎡。園内には参戦国の記念碑や慰霊塔が設けられているほか、国連旗が一年中掲げられている。約80種の木々や花1万本以上が植えられており、静かで厳かな雰囲気に包まれている。UN記念公園に隣接する平和公園は、総面積約3万2800㎡で、2005年11月に釜山で開催された「2005 APEC首脳会談」に合わせて造成された。国連軍の墓地とともに平和を称える意味を込め、公園の敷地を拡大して作られた。公園内には平和の広場をはじめ、散策路や床噴水、オブジェなどがあり、松の木やツバキなどの樹木約3万3600種と、草花約3万3100種に覆われている。入場料無料。○住所:釜山市南区UN平和路93○アクセス:都市鉄道2号線モッコル駅3番出口前のバス停留場からマウルバス「南区9」に乗車し、UN平和公園で下車。この他にも釜山観光公社が選定した場所は、全て静かで落ち着いている。釜山市の中心部からも近く、環境に優しいキャンプ場「九徳野営場」や金海(キメ)空港から近い水辺公園「大渚生態公園」は、家族連れのキャンプやお出かけにもぴったりだ。山好きな人には、市内の「長山」や「荒嶺山」で散策をするのもおすすめ。夕日のきれいな多大浦海水浴場も、騒がしい都心を離れ、ひと休みするのにちょうどいい。新型コロナウイルスの感染拡大が鎮静化し、自由に旅行を楽しめるようになったら、釜山の非対面観光地に一度足を運んでみてはいかが。
フード
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クラフトビールで夏の夜をさらに楽しむ 〈釜山の味〉クラフトビールの聖地「釜山」-写真はカルメギブルーイングのイメージ画像。 梅雨が終わり、本格的な夏が始まった。最近では新型コロナウイルスの影響で、特別海辺での飲酒や飲食行為は控えなければならないのが現状だが、釜山には海や川が多く、海風や川風に当たりながら冷えたビールを飲むのは、夏ならではの市民の楽しみ方の一つ。今月は、韓国国内でも知名度の高い釜山のクラフトビールについて紹介したい。おいしいお酒とはなんだろう。好みによってその答えは変わるが、共通しているのは「新鮮さ」だ。お酒好きの多くが、旅行先で〝地酒〟を必ずと言っていいほど飲むのも、できたての味を味わいたいからだろう。韓国では最近、地域色を出したビールが続々と発売されている。この流行の火付け役の一つは、釜山の小さい醸造所だった。釜山発祥のクラフトビールは、アメリカの著名なビール評価社「Rate Beer」が2016年に発表した「韓国ビールベスト10」に4種類も名を連ね、既に世界的に評価を受けている。■釜山の人気クラフトビールスポット釜山には多くの有名クラフトビール店がある。広安里(クァンアルリ)の「カルメギブルーイング」や「ゴリラブルーイング」「オール&プッシーキャット」、松亭(ソンジョン)の「ワイルドウェーブブルーイング」、複合文化施設・F1963内にある「プラハ993」、東莱(トンネ)の温泉施設・虚心庁(ホシムチョン)内の「虚心庁ブロイ」、温泉場(オンチョンジャン)の「フィンガークラフト」、西面(ソミョン)の「テトラポッドブルーイング」、南浦(ナンポ)の「スリーモンキーズ」などが有名だ。今月号では特に注目の4店舗を紹介する。■カルメギブルーイングカルメギブルーイングは、釜山のクラフトビールブームの火付け役とも言える店だ。醸造所を所有するクラフトビール専門店として、釜山在住のカナダ、イギリス出身の外国人オーナーが「おいしいビールをたくさんの人に飲んでもらいたい」という志のもとに始めた。ビールの材料であるホップの味が濃厚なアメリカ式のビールを製造販売し、ペールエールやブロンドなどが売れ筋だ。ライトな味からほろ苦い味まであり、それぞれの魅力がある。南川(ナムチョン)洞の本店をはじめ、海雲台(ヘウンデ)、西面、南浦、釜山大、慶星大(キョンソンデ)に支店がある。住所:釜山市水営区廣南路58(広安本店)■ゴリラブルーイング2016年1月にオープンしたイギリス式クラフトビールのビアレストラン。ホップのほろ苦さが際立つアメリカ式のビールと異なり、モルト(麦芽)とホップのバランスを調整した比較的マイルドな口当たりのビールを提供している。新鮮さにこだわって、釜山から近い慶尚北道(キョンサンプクト)にある農場でホップを自家栽培しており、イギリス人ブルワー(ビール職人)たちがさまざまなエールビールを造っている。「広安里プロジェクト」やコーヒーとチョコレートの風味を加えた「ティラミスエクストラスタウト」など、個性豊かなビールが多数揃っている。住所:釜山市水営区廣南路125 -ワイルドウェーブブルーイングのビール■ワイルドウェーブブルーイング酸味のあるサワービールがお好みなら、ワイルドウェーブブルーイングの「ソルレイム(Surleim)」がおすすめだ。ここは韓国初のサワービール醸造所を併設している店。この店一押しの「ソルレイム」は、酸っぱいレモネードにホップの香りを加えたビールで、ソウルなどの他地域にも流通している。特にソルレイムは、2016年のRate Beerが発表した韓国ビール評価で上位にランクインしている。住所:釜山市海雲台区松亭中央路5番ギル106-1 ■釜山のビールがここに集結!ミルタンブロイ釜山で製造されたクラフトビールを一ヵ所で飲めるクラフトビールパブがオープンした。都市鉄道3号線の亀浦(クポ)駅と、韓国の高速鉄道(KTX)も停車する亀浦駅の間に位置する「ミルタンブロイ」だ。釜山にある8つのクラフトビールメーカー(カルメギブルーイング、ゴリラブルーイング、釜山プライドブルワリー、スリーモンキーズ、ワイルドウェーブブルーイング、プラハ993、虚心庁ブロイ、テトラポッドブルーイング)のビールがここで味わえる。ミルタンブロイオリジナルの「亀浦萬歳329」もある。ミルタンとは韓国語のミル(小麦)にタン(堂)を組み合わせたもので、1945年8月15日以後、韓国で生産された小麦の集散地だった「亀浦」の歴史を生かして付けられた名前だ。ここで販売しているビールの価格は1杯(約420ml)6500ウォン(約530円)から9000ウォン(約800円)。おつまみには手作りトンカツや手作りソーセージ、フィッシュ&チップスなどがある。営業時間:午後5時~午前0時(毎日)住所:釜山市北区亀浦萬歳ギル98アクセス:都市鉄道3号線亀浦駅から徒歩5分ほど。
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暑ければ暑いほど食べたくなる!ピンス 〈釜山の味〉釜山の味 夏の風物詩、ピンス(かき氷)細かく削った氷の上に果物や牛乳、餅、練乳、ナッツ類などをのせて食べる韓国のピンス(かき氷)。日本のかき氷と似た部分も多いが、韓国ならではの部分もある。紀元前3000年ごろ、中国で雪や氷にハチミツや果汁を混ぜて食べたという記録があるほど歴史のある食べ物だが、韓国にも伝わり、夏の定番スイーツとして定着。多彩なアレンジが加えられ、年ごとに流行の味が生まれるなど、今も進化を続けている。特に甘味を売りにするカフェが多い釜山では、店ごとに独自のメニューが楽しめる。今釜山で人気のピンスを紹介しよう。人気の揺るがない強者「パッピンス」評判の店は?30代以上の韓国人の多くが夏の風物詩として思い浮かべるのが「パッピンス」。「パッ」とは韓国語であずきを意味するため、直訳すると「あずきかき氷」。1970年代以降、韓国では家庭にも冷蔵庫が普及し始め、氷が簡単に作れるようになった。氷を細かく削り、果物やあずき、牛乳を入れて食べたのがパッピンスの始まりだ。甘いあずきが牛乳や氷と混ざり、口どけの良い甘さが広がる。そこに餅や果物が入ると食感も楽しめる。パッピンスはトッポッキ(餅の甘辛炒め)や韓国の天ぷらなどを提供している「粉食店」で、夏になると限定メニューとして販売されることが多い。 ■パッピンスの人気スポット※南浦洞(ナンポドン)の「グルメ横丁」:グルメ横丁ではオムク(練り物)やトッポッキなどの粉ものを販売する屋台がずらりと並ぶ。6~9月はパッピンスを販売しており、値段は4000ウォン(約350円)前後。[アクセス] 都市鉄道1号線南浦駅7番出口を出て左折し、ABCマート前まで行く。そこから更に「光復路歩行者天国」を直進し、サーティーワンアイスクリームの角を左折。直進するとBIFF広場があり、屋台が並ぶグルメ横丁が広がる。※龍湖洞(ヨンホドン)ハルメパッピンス:釜山で最も有名なパッピンス店の一つ。1976年に開業し、40年以上営業を続けている。メニューには店で調理されたあずきが使用されており、そこにりんごジャム、アーモンドのみをトッピングしたシンプルなものだ。パッピンス3500ウォン(約310円)。■田浦カフェ通り、店ごとに個性豊かなピンスがずらり!韓国のピンス文化は、カフェの増加とともに変化を見せてきた。冷たい飲み物を飲むために用意された製氷機が活用でき、外の熱気を避けて涼を求める客を相手に、飲み物用の氷を使って提供するようになった。有名コーヒーチェーン店はもちろん、個人経営など規模の小さいカフェでもピンスを販売している。釜山のカフェ聖地と呼ばれる「田浦(チョンポ)カフェ通り」も例外ではなく、夏になると店ごとに個性的なピンスがお目見えする。若者の間で特に話題になった「恐竜の卵 ピンス」や旬の果物を使ったピンスなど、種類も豊富だ。価格は各店ともに1万ウォン(約880円)前後。田浦カフェ通り、ピンスの人気スポット※軟雲堂(ヨンウンダン):果物やクリームチーズを使用したピンスが一押しだが、「イチゴクリームチーズピンス」と「トマトピンス」が最も人気だ。注文すると、丸い器にボールのように積み上げた氷を盛りつけ、その上にチョコレートやクリームチーズ、フルーツピューレなどがかかったピンスが出てくる。イチゴクリームチーズチーズピンス13500ウォン(約1190円)、トマトピンス9500ウォン(約840円)。※DALA:チョコレート専門店。代表的なメニューは「恐竜の卵ピンス」で、ピンスの上には甘くて濃厚なチョコレートがたっぷりトッピングされ、恐竜の卵型のチョコレートがのっている。卵を割ると中からアイスクリームと小さな恐竜型のチョコレートが出てきて、目で見ても楽しめる。価格は1万2000ウォン(約1060円)。アクセス:QRコード添付。■釜山で始まった雪の花ピンス「ソルビン」 2013年、釜山で1軒のピンス専門店がオープンした。「韓国式デザートカフェ」をうたった「ソルビン」だ。ここでは氷の代わりに牛乳を凍らせた「雪の花ピンス」を用いるのが特徴。その上にインジョルミ(きな粉餅)ときな粉がトッピングされた「きな粉餅ピンス」が、後にこの店の大ヒットメニューとなる。創業1年余りで韓国国内に490を超える加盟店がオープンし、中国や日本、タイ、オーストラリアなど、海外にも進出した。(※現在、日本国内のソルビン店舗は営業していない。)最近ではイチゴをふんだんにトッピングしたイチゴピンスやヨーグルトピンス、台湾名物のマンゴーを使ったピンスなど、進化した多彩なメニューが登場している。韓国風の味を楽しみたいなら、きな粉をトッピングしたメニューがおすすめ。価格は、安いものは7000ウォン(約620円)から、高いものは1万ウォン以上(約880円以上)まで。
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〈釜山の味〉⑥コムジャンオ(ヌタウナギ) 釜山を代表するスタミナ食、元は鞄の材料?酷暑の前に栄養補給を! - 釜山市民に愛されるおつまみであり、スタミナ料理の「コムジャンオ」は、6・25戦争時から人々の間で食べられるようになった。写真はコムジャンオを炒めている様子。(写真提供・釜山日報)6月は徐々に日差しが暑さを増してくる時期。7月以降の猛暑前にスタミナのあるものを食べて、体力をつけることが重要だ。「スタミナ料理」として知られているのがウナギ料理。韓国でもウナギ料理は有名で、釜山では特にヌタウナギの一種「コムジャンオ料理」が親しまれている。釜山のチャガルチ市場やオシリア観光団地、海東龍宮寺(ヘドンヨングンサ)周辺の「機張コムジャンオ村」などが有名だ。コムジャンオはしぶとい生命力を持っている。南極と北極地域を除いた世界中の海で生き続け、海底に生息する小さい虫や死んだ魚をエサにしていることから「海の清掃員」とも呼ばれている。皮を剥がしても10時間以上動き続けるのが特徴で、世界中で獲れるが、さばく過程でのしぶとい生命力と気味の悪い外見から、食べない国もある。見た目への抵抗で敬遠しがちの魚から6.25戦争以後には人気のグルメにチャガルチ市場のタレ焼き機張わら火焼きコムジャンオが有名韓国も70年ほど前はコムジャンオを食べず、皮のみを鞄(かばん)など革製品の原料として使用し、身は捨てていた。その身を焼いて売り始めたのは、6.25戦争(韓国戦争、1950~53年)中のチャガルチ市場からだった。戦争で食料事情が悪化する中、朝鮮半島各地から集まった避難民を相手に、捨てていたコムジャンオを練炭の火で焼いて提供したのが始まり。それを機に「釜山コムジャンオ」という固有名詞が韓国全域に知れ渡った。 コムジャンオは主にヤンニョムグイ(タレ焼き)、ソグムグイ(塩焼き)、炒めもの、メウンタン(魚の辛味スープ)として食べるのが一般的。釜山市の機張(キジャン)地域には、わら火で焼いたコムジャンオを提供する店が多い。コムジャンオを含むウナギ類は高タンパク質食品だ。ビタミンAやカルシウムなどが豊富に含まれ、夏の暑い時期に食べるスタミナ食として親しまれている。□機張コムジャンオ松亭(ソンジョン)の海岸から機張に行く途中にある「機張コムジャンオ」は、通算100回以上国内外のメディアに取り上げられるほど、おいしいと話題になったコムジャンオ専門店だ。同店の代表メニューは「コムジャンオチップルグイ」で、店の前に広がる海で獲れたコムジャンオをわら火で焼き上げたもの。実はこのわら火焼きコムジャンオが有名になったのは、そのグロテスクな見た目も一役買っている。わら火でじっくり焼き上げ、そのままお皿に盛り付けて出すため、外見だけを見ると料理かどうか疑う。だが一口味わってみると、考えが変わるかもしれない。コムジャンオの黒く焦げた皮を剥がし、白い身を塩とごま油を混ぜたタレにつけて食べると、これ以上ないほどの香ばしさを感じられる。一見食べ物かどうか疑う外見とおいしい身とのギャップが癖になるようだ。これ以外にも赤ダレベースの「コムジャンオヤンニョムグイ」や韓国のみそで味付けしたスープ「コムジャンオテンジャンクッ」など、コムジャンオを使った多彩な料理を提供している。コムジャンオチップルグイ、コムジャンオソグムグイ、コムジャンオヤンニョムグイはそれぞれ1kgで6万ウォン(約5200円)。電話番号:051-721-2934□チェイルサンコムジャンオ最も釜山らしいコムジャンオが食べたいなら、チャガルチ市場へ行ってみよう。チャガルチ委託販売場の入り口にあるコムジャンオ専門店「チェイルサンコムジャンオ」は、最もよく知られた店の一つ。練炭の火に鉄板をのせ、アルミホイルを敷く。そこにソースや野菜、皮を剥がしたコムジャンオを一緒にのせて焼く。新鮮なウナギと野菜がマッチし、生臭さがなく食感があり、香ばしい味わいだ。コムジャンオを食べた後は、鉄板に残ったタレにご飯を入れて作る焼きめしもまた格別。コムジャンオ以外にも、焼きウナギや焼き貝などがある。コムジャンオグイは量によって値段が異なり、小(2人前)4万ウォン(約3500円)、中(3人前)5万ウォン(約4300円)、大(4人前)6万ウォン(約5200円)。電話番号:051-245-8990写真提供・mingky010□イルムナン機張サンコムジャンオ 海雲台(ヘウンデ)海水浴場の入り口近くにある伝統市場「海雲台市場」にも、有名なコムジャンオの店がある。この店は釜山国際映画祭のシーズンになると、多くの映画関係者が訪れる場所としても知られている。新鮮なコムジャンオを鉄板の上にのせ、辛いヤンニョムで調理する。ピリ辛のコムジャンオ焼きと韓国焼酎は、ストレス解消にもぴったりの組み合わせだ。ヤンニョムグイを食べた後は、残ったタレで炒めた焼きめしや焼きうどんを食べてもおいしい。コムジャンオのヤンニョムグイ、ソグムグイの特大(5人前以上)は5万5000ウォン(約4800円)、大(4人前)4万5000ウォン(約3900円)、中(3人前)3万5000ウォン(約3000円)、小(2人前)2万5000ウォン(約2200円)。電話番号:051-742-8201