ニュース
- 釜山旧都心でアートツアーお気に入りの作品は? 釜山広域市最大の美術祭「釜山ビエンナーレ」が、芸術の秋に開幕した。それぞれにストーリーがある釜山旧都心の展示館を巡り、感性を磨いてみよう。同イベントは10月20日まで釜山現代美術館や、旧都心各所の展示場で開かれる。今年は「Seeing in the Dark(暗闇から見つめる)」をテーマに、総勢62組78人のアーティストの作品約350点が展示される。メインテーマの「暗闇」は、私たちが置かれた苦境や見ず知らずの場所に対する不安を意味する。同イベントでは暗闇を払いのけるより、いかに受け入れるかを提示している。暗くした空間に飾られた作品を手探りで触れたり、歴史の一幕を暗闇に例えて描写する作品も多い。聖母マリアと歓声音菩薩が並べられた作品は、「教理や思想は違えど我々が目指す尊い人生に至る目的は同じ」と訴えかける。△釜山ビエンナーレを開催中の釜山現代美術館。同イベント共同展示監督のフィリップ・ピロットさんは「作品を鑑賞し、アーティストが作品を通して何を表現しようとしたかを想像すると、さまざまな人生の表現方法が知れ、より観覧が楽しめる」と話す。作品ごとに付けられたQRコードをスキャンすると、観覧の手引きになる解説を韓国語、英語で聞ける。△チョリャンジェ同イベントは釜山の旧都心で開かれるとあり、会場そのものも見て楽しめる。観覧客に最もなじみの薄い場所は「초량재(チョリャンジェ)」で、1950~60年代に建てられた2階建ての住宅を展示館として改装した場所だ。周囲は開発された後、もしくは開発中。そのためビル群の間にポツンと現れた雰囲気が見てとれ、開発か保存かの板挟みに陥った現代都市の断面が垣間見られる。住宅内部はインテリアの要素が全て取り除かれ、コンクリートの骨組みがあらわになり、独特の雰囲気を醸し出す。△ハンソン1918 釜山近現代歴史館の本館と「한성1918(ハンソン1918)」の原型は、それぞれ1909年に設立された韓国銀行釜山本部と、1918年にオープンしたハンソン銀行釜山支店だった。いずれも銀行から多目的文化施設に改装され、両所は徒歩約5分と距離も近く、比べながら観覧するのもおもしろい。メイン会場の釜山現代美術館は、釜山の生態系の宝庫・乙淑島(ウルスクト)生態公園にある。建物は周辺環境になじむよう外壁に垂直庭園を造成し、四季で変化する生態系を体感できる。展示期間中、同所では釜山ビエンナーレの総合案内所を運営し、Tシャツやエコバッグ、パンフレットなどの記念品を販売する。〇展示期間:10月20日まで(9月2、9、19、23、30日、10月7、14日休館)〇展示会場:-釜山現代美術館:釜山市沙下区洛東南路1191(都市鉄道<地下鉄>1号線下端駅3番出口前から128-1、171、161、58-2番のいずれかの市内バスに乗車→釜山現代美術館下車)-釜山近現代歴史館:釜山市中区大庁路112(都市鉄道1号線中央駅5番出口から徒歩約9分)-ハンソン1918:釜山市中区白山ギル13(都市鉄道1号線中央駅1番出口から徒歩約8分)-チョリャンジェ:釜山市東区草梁上路117-8(都市鉄道1号線釜山駅停留場から103番の市内バス乗車→(旧)聖芬道病院停留場下車。または都市鉄道1号線草梁駅3、5番出口から徒歩約10分)・観覧料:釜山現代美術館は大人1万6000ウォン(約1760円)、その他の展示館は無料。
- 知っておくと便利な韓国語の一言④いや、ところで、本当に 韓国人みたいに話したいならこの副詞は知っておこう 韓国人が会話をする際、頻繁に使う「アニ(아니、日本語:いや)」「クンデ(またはクロンデ)[근데 (혹은 그런데)、日本語:ところで、そして、あと等]」「チンチャ(진짜、日本語:本当に)」などの単語がある。実はこれらに深い意味はなく、内容に影響を及ぼすことなく前からの話をつなげたり、話し手の態度を表したりする。会話の締めくくりや、新しい話題に切り替える際のクッションの役割もする。例①「いや、ところで私、昨日ニュージーンズ見たんだ」(아니 근데 나 어제 뉴진스 봤다=アニクンデ、ナオジェニュージンスパッタ)ここで使う「アニ(いや)」は、単語が本来持つ否定の意味ではなく、聞き手に注意を促したり、自身の主張に対する強調を表している。「アニ」と「クンデ」をつなげて「アニクンデ」の形でもたびたび使われる。例②「広安里の景色、素敵だったよね」「そうだね。あとあの辺りはおいしい店も多いよ」(광안리 풍경 멋지더라./맞아, 근데 주위에 맛집도 많아=クァンアルリプンギョン モッチドラ/マジャ、クンデチュウィエマッチプトマナ)「クンデ」は元々「クロナ(그러나、日本語:しかし)」の略語で、前の文章との逆説を表す。しかし例文のように追加で情報を提供したり、話題を替えたりするときにも使われる。韓国人と会話をする際、最初に「アニ」「クンデ」を付けて相手の言葉に同意し、次の内容につなげてみよう。若者の話す韓国語のニュアンスに、より近づけるはずだ。〈完〉
- 釜山-大阪間のクルーズフェリー、美術作品の展示会場に 釜山ビエンナーレの入場券を購入すると最大40%割引 釜山広域市最大の美術祭「釜山ビエンナーレ」と釜山⇔大阪間を運航する大型クルーズフェリー・パンスタードリーム号(約2万2000トン級)を運営する「パンスターグループ」は、同イベント開催期間の8月17日から10月20日まで、クルーズ船内にアーティスト4人(4組)の作品を展示する。作品は船内のラウンジやロビー、メイン階段などに設置され、すべての乗客が鑑賞できる。ロビーにあるメインレストランの大型スクリーンを利用し、ビエンナーレに出展される映像作品も上映する。パンスターグループはビエンナーレの展示入場券を購入した乗客に、釜山⇔大阪間の往復クルーズ料金の40%割引サービスも実施。入場券を購入し、9月7日運航の釜山ワンナイトクルーズを利用する乗客は、乗船券の30%割引が受けられる。ワンナイトクルーズは五六島(オリュクト)や太宗台(テジョンデ)など、釜山の海や広安大橋(クァンアンテギョ)一帯の夜景、花火ショー、船上屋台、各種公演などが楽しめる1泊2日の観光商品だ。「2024釜山ビエンナーレ」の入場券はQRコードから購入でき、クルーズの割引はパンスタークルーズのホームページ(www.panstar.jp/webreserve)から購入すると適用される。詳細事項はパンスタークルーズのホームページか、お客様センター(06-6614-2516<日本>)で確認できる。△パンスタードリーム号のメイン階段に設置された、ビエンナーレの展示作品「つながる都市:Walvistraan」 写真提供・釜山ビエンナーレ
釜山を楽しむ
- 釜山夜景の名所③海雲台タルマジギル 満月鑑賞に絶好のスポット「海月亭」 韓国では昔から陰暦の1月15日と8月15日に月見をする風習があり、満月を見ながら願い事をしたり、運勢を占ったりする。特に陰暦の8月15日は韓国の名節「秋夕(チュソク)」当日で、前後は休みになる。この時期、韓国人は家族や恋人とお月見に出かける人が多い。今年の陰暦の8月15日は、9月17日。釜山広域市には海雲台(ヘウンデ)海水浴場の東側に月見の名所「タルマジギル」がある。△海雲台タルマジギルの全景■海月亭までの上り道海雲台のタルマジギルは、海雲台海水浴場の東側にある臥牛山(ワウサン)を登る峠道だ。木々が生い茂り鳥のさえずりが聞こえ、静けさが漂う。ここはにぎやかな中心部から少し距離があり、一休みするのにぴったり。タルマジギルの周辺には高級レストランやベーカリー、居酒屋、カフェなどが建ち並び、デートコースとしてもおなじみだ。車道の整備が行き届いているためドライブにも最適だが、美しい風景を満喫するなら「ムンテンロード」を散歩するのもおすすめ。ムンテンロードは2008年に造成された、タルマジギルの車道と東海南部線の鉄道の間にある約2.2㎞の林道を整備した散歩道。上り道は傾斜があるため少し疲れるかもしれないが、目の前に広がる風景に歩くのも苦にはならないはず。ムンテンロードは午前5時から日の出の時間まで、日没から午後11時まで照明がついているため、暗くても安心して歩ける。お月見をしたければ月の出に合わせ、日没後に足を運んでみよう。ムンテンロードの中間地点には古風な東屋「海月亭(ヘウォルジョン)」がある。ここは釜山で最も月がよく見える場所として知られ、海月亭から眺める月の美しさは昔から有名だった。2022年には、海雲台の夜景10選にも名を連ねた。海月亭の下に広がる夜の海雲台も、月見に風情を添える。月の光の下、海やホテル、高層ビル群などでにぎわい、一幅の絵画のような月夜にぴったりの雰囲気を演出する。※アクセス:都市鉄道(地下鉄)2号線海雲台駅の4番出口→バス停留場「海雲台都市鉄道駅(停留場番号:09-729)」から100、141、200番いずれかの市内バスに乗車→尾浦(ミポ)ムンテンロードバス停留場で下車。△海月亭と海月亭前にあるタルマジのオブジェ。■月が大きすぎても驚かないで!イギリスの天文学雑誌「BBC Sky at Night」によると、9月17日チュソク当日の満月は、8月19日に続いて今年2番目の「スーパームーン」だ。スーパームーンは地球と月の距離が近づき、地球から見る月が特に大きく見える現象のこと。月が地球から最も離れる「マイクロムーン」に比べ、約14%大きく、月の光は最大30%明るくなる。今年のスーパームーンは、10月17日と11月15日にも見られる見込み。<夜景の名所シリーズ 完〉
- メディアアート展示館、アルテミュージアム釜山オープン 花が咲き滝が流れ、その先に釜山が広がる7月19日、釜山広域市の釜山港近くの島・影島(ヨンド)に世界最大規模のメディアアート展示館「アルテミュージアム釜山」がオープンした。単純な展示空間を超越した、観覧客の視覚や聴覚、嗅覚を刺激する没入型メディアアート体験空間として人気を集めており、釜山の新たなランドマークとして注目を集めている。△アルテミュージアム釜山のメイン展示場の全景。■世界最大の没入型メディアアート展示館アルテミュージアムは「永遠の自然」をテーマに、自然の素材と空間をデジタルで再現した没入型メディアアート常設展示館。2020年の済州(チェジュ)島オープンを皮切りに香港、ラスベガス、ドバイなど、国内外に展示館を開設し、新たな文化体験スポットとして親しまれている。釜山のアルテミュージアムは8番目の開館で、面積は約5620㎡(1700坪)に至り、8カ所あるアルテミュージアムの中で最大規模を誇っている。釜山の数ある自然の風景や文化的要素をモチーフにした「循環(CIRCLE)」をテーマに、他地域の展示館で観覧客から好評を得た「ウォーターフォールインフィニット(WATERFALL INFINITE)」を含む計19作品を展示している。このうち、16作品は釜山で初公開される新作だ。△アルテミュージアム釜山の外部の全景。■自然・芸術・技術が調和した夢のような空間[CIRCLE 循環]展示場に入ると、漆黒の闇が広がっている。暗闇に少しずつ慣れてきた頃、眩しい黄金の砂が上空に浮かび上がり、回り出すデジタルアート「循環(CIRCLE)」が観覧客を出迎える。暗闇と対比し、輝く光の輪は太陽のように堂々たる存在感だ。循環を筆頭に、幻想の世界への旅が始まる。 △展示場に入ると最初に目に入る作品「循環」。■[WATERFALL INFINITE 滝]慌ただしく次の展示場へ向かうと、今度は夏の暑さを吹き飛ばすような、涼やかな滝の音が聞こえてくる。四方から流れ落ちる水しぶきをメディアで再現した滝だ。鏡を使うことで空間が無限に拡張し、圧倒的な雰囲気と規模を体感できる。ここでは「セルカ(自撮り)」を撮ると、鏡の効果で双子や三つ子になったような気分も味わえる。△ライブスケッチブックガーディアンズを体験中の子どもたち。[FLOWER ROSE バラ]次の展示場には濃いバラの香りが漂っている。入ると、愛らしく華やかな無数の花びらが空間を埋め尽くす。うっとりするようなバラの空間で舞う花びら、その合間を蝶々が舞う。ここはヴィンセント・バン・ゴッホの名作「ROSE」の中のバラが咲き誇る過程を演出した「オデッセイローズ(ODYSSEY ROSE)」とつながり、バラに囲まれた世界の究極の美を体験できる。絶えず繰り広げられる花の世界を楽しむあまり、同伴者とはぐれたり、迷子になったりするケースが多いため、注意が必要だ。△釜山のランドマークを感覚的に鑑賞できるスタリー釜山。[LIVE SKETCHBOOK GUARDIANS]子連れ客や童心に帰った気分を楽しみたい人にはぜひ体験してほしいコース。動物が描かれた紙に思いのまま色塗りし、スキャナーに入れると、自身の描いた動物が動き出し、大型スクリーンの中を駆け回る。[GARDEN]興奮冷めやらぬ中、最後の展示場「GARDEN」へ移動すると、幻想の世界のフィナーレを飾る「スタリー釜山(STARRY BUSAN)」と「オルセー特別展」が出迎えてくれる。スタリー釜山では色とりどりのコンテナが行き交う躍動感ある釜山港や海雲台(ヘウンデ)海水浴場、海辺列車、広安大橋(クァンアンテギョ)、海の上を行き来する海上ケーブルカー、甘川(カムチョン)文化村、花火祭りなどが大型画面に映し出され、ギュッと詰めこんだ釜山の魅力を観覧できる。釜山の人々のテーマソングとも言える「釜山カルメギ」や「釜山港へ帰れ」が流れ、画面に出てくる場所のうち、行ったことがある場所をを数えながら見るのもおもしろい。△アルテミュージアム内にある休息空間のカフェ。「オルセー特別展」はフランスのオルセー美術館と公式ライセンス契約を結び、同美術館の変遷や一押しの作品をアルテミュージアムの観点でアレンジしている。時間の流れを縮めたように、巨匠たちの名作が次々と映し出され、ほどなくして美術館とヨーロッパの街並みに変わる。音楽と共にゴッホの「星月夜」やミレーの「落穂拾い」など、多彩な作品がゆっくりと映し出される。あちこちで違う作品が映されるため、視線の置き場を探して周囲を見回す人もいれば、のんびり観覧を楽しむ人もいる。〇観覧所要時間:1時間30分以上〇観覧料:平日大人2万2000ウォン(約2390円)、週末・祝日2万5000ウォン(約2720円)〇開館時間:午前10時~午後9時(入場締め切りは午後8時) ※平日、午後遅めの時間に入場すると、ゆとりを持って観覧できる。〇ホームページ:kr.artemuseum.com/BUSAN〇アクセス:都市鉄道(地下鉄)1号線南浦(ナンポ)駅6番出口→17、186番いずれかの市内バスに乗車→アルテミュージアム停留場下車→徒歩約3分一緒に楽しもう…ファンタジーの島・影島「アルテミュージアム釜山」がある影島は、都心と少し違った独特の風景と美しい自然が魅力の場所。アルテミュージアム行きの17、186番のバスを利用し、近くの有名スポットを回ってみよう。1.多目的文化施設「P.ARK」アルテミュージアム釜山に行くと、すぐ近くの多目的文化施設「P.ARK」はぜひ立ち寄りたい場所。展示館や人気レストラン、カフェなどを網羅した場所で、特に4階にあるカフェ「P.ARK」は釜山で最も規模の大きいカフェで知られ、大型の一面ガラス越しにはコンテナが行き交い、躍動感ある釜山港を一望できる。アニメ「ドラえもん」が好きなら、2~3階の展示室で開催中の「ドキドキドラえもん」展に行ってみよう。釜山展示限定版のドラえもんグッズも販売している。展示期間は11月3日までで、観覧料は大人1万8000ウォン(約1960円)。△アルテミュージアム近くで、影島の人気スポット「国立海洋博物館」。2.国立海洋博物館国立海洋博物館はアルテミュージアム釜山からバス停で2区間離れており、海と共に生きてきた韓国の先祖の記録や海洋文化関連の資料を展示している。約70種類の海の生き物が暮らす水族館や海洋の歴史と芸術関連のメディア展示が人気で、海が見える静かな図書館も完備されている。観覧料は無料。毎週月曜日と秋夕(チュソク)連休の翌日は休館日。△影島の伝統的な観光地・太宗台の全景。3.太宗台17番と186番のバスの終点にある太宗台(テジョンデ)は、釜山で海岸の景色を見るのに打ってつけ。奇岩怪石や激しい白波、釜山港を行き交う船が調和し、独特な雰囲気を醸し出している。最近では太宗台の近くにオーシャンフライングテーマパークがオープンし、海上を颯爽と滑降するアトラクション・ジップラインも楽しめる。
- 釜山夜景の名所-マリンシティ 海辺の高層ビルが織りなす、天の川のような夜景 海外の都市へ旅行に行くなら、現地で必ず見ておきたい風景がある。香港・チムサーチョイの夜景やシンガポールのマリーナベイ・サンズの夜景のような高層ビルの輝きが織りなす色とりどりの灯りは、その都市の象徴とも言える。夜景都市・釜山広域市も、代表的な観光地の海雲台(ヘウンデ)海水浴場近くに「マリンシティ」があり、マリンシティの夜景は釜山が誇る夜景スポットの一つだ。△200mをはるかに超える超高層ビルが並ぶ富裕層エリア「マリンシティ」は、釜山を代表する夜景のランドマークだ(上の写真は冬柏島の入り口にあるザ・ベイ101から見たマリンシティの夜景。マリンシティとは海雲台区に造成された新都市の名称で、約301m80階建ての「Haeundae DOOSAN We’ve The Zenith」を筆頭に「Haeundae I’PARK(約293m、72階)」など、200mを超える居住用の超高層アパートが海辺に所狭しと建ち並ぶ、韓国では珍しい華やかなスカイラインが鑑賞できる。また、韓国では富裕層が多く暮らすエリアで知られている。高層ビルの低層階には高級レストランやパン店、居酒屋などの店舗が入っていて、美しい夜景をより一層楽しめ、デートコースとしても人気。■マリンシティ、夜景のベストスポット…冬柏島と「ザ・ベイ101」マリンシティの夜景を鑑賞できる場所はいくつかあり、最も近距離で見られるのは海雲台海水浴場の西側にある冬柏島(トンベクソム)だ。ウェスティン朝鮮釜山の正門前の向かいにある散歩道に沿って進んで行くと、右手にはマリンシティの夜景があり、遠くには広安大橋(クァンアンテギョ)が見える。特に2005年のAPEC首脳会議が開かれた「ヌリマルAPECハウス」隣の灯台広場は、広安大橋とマリンシティの灯りが絶妙に調和するフォトスポット。毎年、秋の終わりに開かれる釜山花火祭りの時にも見物客が多い。マリンシティの夜景をチキンやビールなどと一緒にゆっくり楽しめる場所が、冬柏島入り口のマリーナレジャー施設「ザ・ベイ101」。ここで日中はヨットやカヤック、サーフィンなどのマリンスポーツが楽しめる。マリンシティの高層ビルを正面に見ながら、楽しい時間を過ごせること間違いなし。飲食店や居酒屋、カフェが入店しているため、ビールやコーヒーを飲みながら夜景を鑑賞できる。店内から見るより、出されたメニューを1階の屋外テラスで食べれば、海の風を浴びながら夜景を見る贅沢なひと時を過ごすこともできる。釜山でロマンチックなマリンシティの夜景を楽しみ、夏の夜の風情を感じてみよう。〇住所(ザ・ベイ101):海雲台区冬柏路52 (ハングル)해운대구 동백로 52〇アクセス:都市鉄道(地下鉄)2号線冬柏駅1番出口を出て、約440m直進。その後交差点を渡り、橋を過ぎたところの右手。〇電話番号:051-726-8888〇運営時間:午前8時~午前0時
フード
- 世界中で愛される韓国料理「プルコギ」 秋夕の連休、記念日に欠かせない 誰からも愛される代表的な肉料理「プルコギ」甘いしょう油の香りに柔らかい食感で、白ご飯と相性抜群の肉料理「プルコギ」。韓国料理を代表するメニューで、今では韓国ならどこでも食べられるが、熟成の過程を含めると準備に数時間以上かかる、手の込んだ料理だ。そのためか、わずか十数年前までは秋夕(チュソク)などの名節(旧暦の祝祭日)や誕生日、重要な客人が来た時などに振る舞うごちそうというイメージが強かった。プル(火)とコギ(肉)という言葉からもわかるように、肉を焼いたものなら何でもプルコギだと言える。最も一般的なのは、牛肉がメインの「ソゴギプルコギ」。プルコギがヤンニョムカルビ(味付けカルビ)と異なる点は、肉を薄切りにするところ。ヤンニョムカルビは少し厚めにスライスした肉をタレに漬け込むが、プルコギは肉を薄く切り分けることで、より柔らかくなる。△白ご飯と相性抜群の肉料理「プルコギ」牛肉プルコギは現在、大きく2種類に分かれる。釜山広域市を始め慶尚南道(キョンサンナムド)地域では、タレに漬けた肉を直火や鉄板で焼き上げる焼肉式が、ソウルを中心とした韓国の中部地域では、鍋で煮込むスタイルのプルコギが一般的だ。焼肉式は釜山から近い、蔚山(ウルサン)市彦陽(オニャン)地域の「オニャンプルコギ」が有名で、焼き網の間に細かく刻んだ味付け肉を挟み、ひっくり返しながら炭火でこんがり焼いたもの。見た目はトッカルビ(あらびきカルビ)やノビアニ(薄切り肉をタレ漬けし、焼き網で焼いたもの)に近いが、プルコギとは違う材料が入った両者とは異なり、オニャンプルコギは味付けした肉を固め、焼き上げている。ソウル式は直火で焼かず、梨エキスや各種調味料を使ったタレ、だし汁などで煮込むようにして食べる。焼肉というよりは日本のすき焼きや煮こみ料理に近い。鍋か焼肉か…釜山を代表するプルコギ専門店「グルメの都市・釜山」では鍋スタイル、固まりを焼き上げるオニャン式のプルコギがいずれも楽しめる。今回、釜山で親しまれているプルコギ専門店をいくつか紹介したい。■広安里オニャンプルコギ釜山チッ△「広安里オニャンプルコギ釜山チッ」の看板メニュー・プルコギ広安里(クァンアルリ)海水浴場の南西側にある、有名なプルコギ専門店。店の名の通り、オニャン式プルコギ専門店で、ミシュランガイド釜山2024に名を連ねた釜山を代表する店だ。異国情緒あふれる広安里の景色を見ながら肉が食べられるのも人気の秘訣。味付けされていない牛肉を焼いて食べる焼肉スタイルと、味付け牛肉の「オニャンプルコギ」が看板メニュー。牛肉料理のため、多少価格はお高めだ。〇看板メニュー:オニャンプルコギ(1人分3万5000ウォン<約3820円>)、ヒレ焼き(4万3000ウォン<約4700円>)、熟成韓牛(4万8000ウォン<約5240円>)など。〇住所:釜山市水営区南川パダ路32 <ハングル>수영구 남천바다로32〇電話番号:051-754-1004 ■西面「サミホン」市内中心部・西面(ソミョン)にある、韓国の各界の有名人も御用達の韓牛専門店。鍋スタイルのプルコギが看板メニューで、きのこ(ポソッ)をふんだんに使った「ポソップルコギチョンゴル」や、牛骨スープに大ぶりの骨付き牛肉が入ったスープ料理「カルビタン」が人気。個室もあるため、宴会やイベント会場としてもよく使われる。〇看板メニュー:韓牛ポソップルコギチョンゴル(1人分2万ウォン<約2200円>)、カルビタン(1万4000ウォン<約1530円>)〇住所:釜山市釜山鎮区西面文化路19 <ハングル>부산진구 서면 문화로 19〇電話番号:051-819-6677 ■海雲台「ソムンナンアムソカルビチッ」釜山で最もよく知られた牛肉専門店で、これまでに数えきれないほどの有名人が来店している。通常は生カルビやヤンニョムカルビを注文することが多いが、同店一番の人気メニューは「プルコギ」。他店のプルコギとは見た目が多少異なるが、ヤンニョムカルビと同じように薄切りにした肉を漬け込み、中央部分が盛り上がった形の鉄板に肉を並べ、煮詰めてから食べる。肉を食べた後、シメにジャガイモの麺を追加し、煮込んで食べるのがおすすめ。〇看板メニュー:プルコギ(1人分4万9000ウォン<約5350円>)〇住所:釜山市海雲台区海雲台海辺路333 <ハングル>해운대구 해운대해변로333〇電話番号:051-746-3333
- 爽快感あふれる夏の味・ピンス 釜山の味-かき氷探訪 夏真っ盛りの8月、暑さでぐったりした体と心にエネルギーチャージをするのには、おいしいものが欠かせない。今月は体の芯まで涼やかになる氷と新鮮な果物、思わず写真を撮りたくなる可愛らしいビジュアルも兼ね備えたピンス(かき氷)を紹介したい。△韓国で食べられるさまざまなピンス。■パッピンスからマンゴーピンスまで 韓国はピンス全盛期韓国のピンスに関する最初の記録は、朝鮮時代に遡る。当時漢陽(ハニャン、現在のソウル)では冬の間に凍った漢江(ハンガン)の氷を削り、貯蔵庫に保管して氷のない季節に使用していた。夏になると、西氷庫(ソビンゴ、朝鮮時代に設けた氷室の一つ)の氷を役人たちに分け与えていたが、この氷を細かく砕き、その上にのせたフルーツを食べたという記録が残っている。その後氷の保存技術が発達する中でピンスが一般的に広まり、1980年代には家庭用のかき氷機が発売され、夏の必需品として人気を集めた。韓国のピンスは細かく削った氷の上に煮詰めた小豆をたっぷりかけ、練乳やトック(餅)、果物などさまざまなトッピングをのせる「パッピンス(小豆かき氷)」が一般的だ。しかし最近ではマンゴーピンスやインジョルミ(きなこ餅)ピンス、イチゴピンス、チョコレートピンスなど、小豆以外にも種類豊富なトッピングがあり、パッピンスの代表格・ピンスの地位が危ぶまれるほどのピンス全盛時代と言える。韓国のピンスが本格的に全盛期を迎えた理由は、釜山で始まった韓国式デザートカフェ「ソルビン」の存在が大きい。パッピンスは通常、パン、ケーキなどを販売するベーカリーやカフェの季節限定メニューとして食べられるのが一般的だったが、ソルビンはピンスを四季のメニューとして打ち出した。一般のピンスより遥かにきめ細やかに削られた、雪のような氷の上に香ばしいきなこ、餅などをのせて子どもから大人まで幅広い世代をとりこにした。またピンスに小豆をのせるのが基本だった時代に、イチゴピンスやチョコレートピンスなどのメニューを販売。小豆のないピンスというインパクトが話題となり、人気を集めた。台湾で人気のマンゴーピンスも韓国に上陸し、ホテルなどを中心にフルーツピンスが人気となり、夏の時期にはピンス業界での競争が繰り広げられるようになった。最近ではケーキのようでピンスのような、見分けがつかないほどの豪華なトッピングが自慢の多彩なピンスも注目を集めている。(お役立ち情報)ピンスの食べ方:氷とトッピングを一度にかき混ぜるとすぐに溶け、氷水状態のピンスを食べることに。トッピングをメインで先に食べてしまうと、最後に氷だけが残るため、大きいピンスほどトッピングと氷のバランスを考えながら、混ぜ合わせて食べるのがポイント。△「龍湖洞ハルメパッピンスタンパッチュッ」で販売中の小豆粥、パッピンス、たい焼き。■釜山のピンス人気店南川(ナムチョン)緑茶パッピンス=パッピンスの上にかかった、緑茶パウダーがアクセント。[看板メニュー]パッピンス4000ウォン(約450円)、小豆粥4000ウォン[営業時間]午前10時~午後10時[住所]釜山市水営区水営路394番ギル28 (ハングル)부산시 수영구 수영로 394번길28 ・龍湖洞(ヨンホドン)ハルメパッピンスタンパッチュッ甘みを抑えた、オーソドックスな伝統パッピンス。[看板メニュー]パッピンス4000ウォン、小豆粥4000ウォン。[営業時間]午前10時~午後10時(夏の期間は午後10時30分まで)[住所]釜山市南区龍湖路90番ギル24 (ハングル) 부산시 수영구 용호로 90번길 24・ソルビン日本にも進出した、牛乳ピンス専門店。釜山発祥のブランドで、今も釜山で人気のあるフランチャイズ。[看板メニュー]インジョルミソルビン8900ウォン(約1000円)、アップルマンゴーチーズソルビン1万3900ウォン(約1570円)、オレオチョコモンスターソルビン1万2900ウォン(約1460円)[営業時間]店舗によって異なる。[店舗検索]sulbing.com・ビビビダン海雲台(ヘウンデ)のタルマジコゲ(月見峠)にある、景色の良い韓国伝統喫茶店。喫茶店だがピンスのほうが有名な、ピンス人気店。[看板メニュー]かぼちゃピンス1万2000ウォン(約1360円)、パッピンス1万2000ウォン。[営業時間]午前10時30分~午後9時30分(土・日曜日は午後10時まで)[住所]海雲台区タルマジギル239-16 4階 (ハングル)해운대구 달맞이길239-16 4층
- 暑さで疲れた体にエネルギーチャージスタミナ食の代表格「サムゲタン」 釜山の味 夏のスタミナ食本格的な猛暑が始まる7月になり、韓国では「伏日(ポンナル)」が近づいている。伏日は「初伏(チョボッ)」「中伏(チュンボッ)」「末伏(マルボッ)」の3日間で、三伏(サンボッ)と呼ばれる。三伏は1年で最も暑い7月中旬から8月中旬にかけてあり、今年は7月15日、25日、8月14日。昔から韓国人は夏バテ対策のため、伏日には必ず高カロリーでタンパク質を摂取できるスタミナ食をたくさん食べていた。この時食べる主なスタミナ食は参鶏湯(サムゲタン)やチュオタン(どじょう汁)、ヨンポタン(牛肉、テナガダコなどの魚介類でだしをとったスープ)など、熱々のスープ料理。韓国には「以熱治熱(イヨルチヨル:熱をもって熱を制すの意味)」という言葉があるほど、料理を食べて敢えて汗を流し、暑さを和らげ、不足した塩分と水分を料理で補うという考えがある。△丸鶏や高麗人参など各種韓方の薬剤を入れて煮込んだ参鶏湯は、韓国のスタミナ食の王様だ。■鶏1羽に体にいい韓方の薬剤がたっぷり韓国人が最もよく食べるのが「スタミナ食の王」と呼ばれる参鶏湯。参鶏湯は鶏肉の内臓を取り除き、中にもち米や高麗人参、ナツメ、ニンニク、栗などを入れて煮込んだ料理だ。さまざまな食材と1羽の鶏を丸ごと使用しているため、栄養満点。韓国の公共機関・食品医薬品安全処が2020年に発刊した食品栄養成分の資料集によると、一食分の参鶏湯に含まれるたんぱく質は96gで、大人1日の推奨摂取量60~70gを大きく上回っている。参鶏湯には必ず韓方の薬剤が入っている。店によって材料の構成は異なるが、「高麗人参」はどの店でも使用される。高麗人参の栄養成分のうち、「サポニン」は免疫力増進や疲労回復、記憶力改善、抗酸化作用効果、高血圧予防などさまざまな効能がある。高麗人参には他にもビタミンB・C・D、葉酸、カリウム、カルシウム、鉄、マグネシウム、アミノ酸など各種必須栄養素が豊富だ。参鶏湯の栄養素を丸ごと摂取するためには、調理する過程で食材の栄養素がスープに溶け込むため、肉だけでなくスープも飲んだ方がいい。専門店で注文すると、各種おかずや食前酒として高麗人参酒が出される。高麗人参酒は参鶏湯を食べる前に飲むと胃酸の分泌を促進し、消化を助けるほか、多少脂っこく感じられる参鶏湯の風味を和らげてくれる。■釜山の味が選んだ参鶏湯の人気店ペジョングァン東莱参鶏湯 東莱(トンネ)区庁の近くにあり、毎年発行される「釜山の味」に必ず紹介されるほど、釜山市おすすめの参鶏湯専門店。伏日以外の日でも常に行列ができ、40年以上営業を続けている人気店だ。特製の牛骨を使用したスープで、臭みのないあっさりした味が自慢。ネギの千切りがたっぷりのっていて、基本のおかずにはゆでた砂ずりやカクテキ、浅漬けキムチ、水キムチのキムチ3点セット、そうめん、青唐辛子、ニンニクが出される。〇メニュー:東莱参鶏湯(1万8000ウォン<約2050円>)、宮中参鶏湯(2万ウォン<約2280円>)〇住所:東莱区東莱路116番ギル39 (ハングル)동래구 동래로 116번길 39〇営業時間:午前11時~午後3時/午後5時~8時30分(月・火曜日定休日)〇電話番号:051-555-2464 ウソン参鶏湯都市鉄道(地下鉄)2号線水営(スヨン)駅4番出口近くにあり、40年以上参鶏湯のみにこだわり続けている。スープは濃厚なニンニクの香りが特徴。基本のおかずに出てくる砂ずりのフライも格別で、おかわりをする客が多いため唯一の「追加メニュー」になっている。長年営業を続けてきた店とあり、常に多くの客でにぎわっているため、行列覚悟で行ってみよう。〇メニュー:参鶏湯(1万8000ウォン)、砂ずりのフライ追加(5000ウォン<約570円>)〇住所:水営区廣西路10番ギル68 (ハングル)수영구 광서로 10번길 68〇営業時間:午前11時~午後8時(日曜日定休日)〇電話番号:051-751-2984