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釜山旧都心でアートツアーお気に入りの作品は?

釜山広域市最大の美術祭「釜山ビエンナーレ」が、芸術の秋に開幕した。それぞれにストーリーがある釜山旧都心の展示館を巡り、感性を磨いてみよう。同イベントは10月20日まで釜山現代美術館や、旧都心各所の展示場で開かれる。今年は「Seeing in the Dark(暗闇から見つめる)」をテーマに、総勢62組78人のアーティストの作品約350点が展示される。


メインテーマの「暗闇」は、私たちが置かれた苦境や見ず知らずの場所に対する不安を意味する。同イベントでは暗闇を払いのけるより、いかに受け入れるかを提示している。暗くした空間に飾られた作品を手探りで触れたり、歴史の一幕を暗闇に例えて描写する作品も多い。聖母マリアと歓声音菩薩が並べられた作品は、「教理や思想は違えど我々が目指す尊い人生に至る目的は同じ」と訴えかける。


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△釜山ビエンナーレを開催中の釜山現代美術館。


同イベント共同展示監督のフィリップ・ピロットさんは「作品を鑑賞し、アーティストが作品を通して何を表現しようとしたかを想像すると、さまざまな人生の表現方法が知れ、より観覧が楽しめる」と話す。作品ごとに付けられたQRコードをスキャンすると、観覧の手引きになる解説を韓国語、英語で聞ける。


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△チョリャンジェ


同イベントは釜山の旧都心で開かれるとあり、会場そのものも見て楽しめる。観覧客に最もなじみの薄い場所は「초량재(チョリャンジェ)」で、1950~60年代に建てられた2階建ての住宅を展示館として改装した場所だ。周囲は開発された後、もしくは開発中。そのためビル群の間にポツンと現れた雰囲気が見てとれ、開発か保存かの板挟みに陥った現代都市の断面が垣間見られる。住宅内部はインテリアの要素が全て取り除かれ、コンクリートの骨組みがあらわになり、独特の雰囲気を醸し出す。


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△ハンソン1918


 

釜山近現代歴史館の本館と「한성1918(ハンソン1918)」の原型は、それぞれ1909年に設立された韓国銀行釜山本部と、1918年にオープンしたハンソン銀行釜山支店だった。いずれも銀行から多目的文化施設に改装され、両所は徒歩約5分と距離も近く、比べながら観覧するのもおもしろい。


メイン会場の釜山現代美術館は、釜山の生態系の宝庫・乙淑島(ウルスクト)生態公園にある。建物は周辺環境になじむよう外壁に垂直庭園を造成し、四季で変化する生態系を体感できる。展示期間中、同所では釜山ビエンナーレの総合案内所を運営し、Tシャツやエコバッグ、パンフレットなどの記念品を販売する。


〇展示期間:10月20日まで(9月2、9、19、23、30日、10月7、14日休館)

〇展示会場:

-釜山現代美術館:釜山市沙下区洛東南路1191(都市鉄道<地下鉄>1号線下端駅3番出口前から128-1、171、161、58-2番のいずれかの市内バスに乗車→釜山現代美術館下車)

-釜山近現代歴史館:釜山市中区大庁路112(都市鉄道1号線中央駅5番出口から徒歩約9分)

-ハンソン1918:釜山市中区白山ギル13(都市鉄道1号線中央駅1番出口から徒歩約8分)

-チョリャンジェ:釜山市東区草梁上路117-8(都市鉄道1号線釜山駅停留場から103番の市内バス乗車→(旧)聖芬道病院停留場下車。または都市鉄道1号線草梁駅3、5番出口から徒歩約10分)

・観覧料:釜山現代美術館は大人1万6000ウォン(約1760円)、その他の展示館は無料。