釜山、「人中心の都市計画」でリブコム・アワード受賞

リブコム・アワード授賞式
釜山市の代表的な政策である「15分都市」がまた国際的に高い評価を受けた。釜山市は2025年リブコム・アワードにおいて「都市全体部門」の金賞(Gold Award)と「持続可能な計画・管理政策分野」の優秀賞(Criteria Award)を同時受賞した。授賞式は11月21日、トルコのイスタンブールで開催された。
1997年に創設されたリブコム・アワードは国連が後援する国際賞で、地域の環境管理や都市開発における優れた事例を選び、市民の生活の質の向上を図ることを目的としている。23回目となる今年は52カ国から281件の応募があり、このうち30都市と37プロジェクトが本選に進んだ。
釜山市は11月20日の本選の発表で釜山特有の地形的な特徴を反映した「15分都市」戦略の要となる内容を紹介。特に地域の各生活圏のつながりの強化、徒歩での移動環境の改善、住民中心の開発など、「人中心の都市文化」への転換を強調し、自動車より歩行者を優先する都市づくりという方向性も明確に示した。
その代表的な事例として、歩きやすい環境を整備する「ハッピーチャレンジ・プロジェクト」・米軍基地の跡地を広い公園へと再生させた「釜山市民公園」・産業施設を複合的な文化空間へと変えた「F1963」・シニア世代の雇用と環境プログラムを組み合わせた「私たちの町の社会価値経営(ESG)センター」などが紹介された。
人口100万人以上の都市が属するEグループで、ウィーン・サンパウロ・中国の保定市など世界の主要都市と競った釜山は、最終的に最高賞である金賞を獲得した。また、「持続可能な政策・管理分野」では、本選に進んだ都市の中で最高得点を獲得した。
審査委員は「釜山は持続可能性を市民の日常に自然に取り入れている点が際立っており、15分都市戦略は、より暮らしやすく、人中心の都市を目指す世界の他の都市にとって模範となる」と評価した。