世界中で愛される韓国料理「プルコギ」
秋夕の連休、記念日に欠かせない
誰からも愛される代表的な肉料理「プルコギ」
甘いしょう油の香りに柔らかい食感で、白ご飯と相性抜群の肉料理「プルコギ」。韓国料理を代表するメニューで、今では韓国ならどこでも食べられるが、熟成の過程を含めると準備に数時間以上かかる、手の込んだ料理だ。そのためか、わずか十数年前までは秋夕(チュソク)などの名節(旧暦の祝祭日)や誕生日、重要な客人が来た時などに振る舞うごちそうというイメージが強かった。
プル(火)とコギ(肉)という言葉からもわかるように、肉を焼いたものなら何でもプルコギだと言える。最も一般的なのは、牛肉がメインの「ソゴギプルコギ」。プルコギがヤンニョムカルビ(味付けカルビ)と異なる点は、肉を薄切りにするところ。ヤンニョムカルビは少し厚めにスライスした肉をタレに漬け込むが、プルコギは肉を薄く切り分けることで、より柔らかくなる。
△白ご飯と相性抜群の肉料理「プルコギ」
牛肉プルコギは現在、大きく2種類に分かれる。釜山広域市を始め慶尚南道(キョンサンナムド)地域では、タレに漬けた肉を直火や鉄板で焼き上げる焼肉式が、ソウルを中心とした韓国の中部地域では、鍋で煮込むスタイルのプルコギが一般的だ。
焼肉式は釜山から近い、蔚山(ウルサン)市彦陽(オニャン)地域の「オニャンプルコギ」が有名で、焼き網の間に細かく刻んだ味付け肉を挟み、ひっくり返しながら炭火でこんがり焼いたもの。見た目はトッカルビ(あらびきカルビ)やノビアニ(薄切り肉をタレ漬けし、焼き網で焼いたもの)に近いが、プルコギとは違う材料が入った両者とは異なり、オニャンプルコギは味付けした肉を固め、焼き上げている。
ソウル式は直火で焼かず、梨エキスや各種調味料を使ったタレ、だし汁などで煮込むようにして食べる。焼肉というよりは日本のすき焼きや煮こみ料理に近い。
鍋か焼肉か…釜山を代表するプルコギ専門店
「グルメの都市・釜山」では鍋スタイル、固まりを焼き上げるオニャン式のプルコギがいずれも楽しめる。今回、釜山で親しまれているプルコギ専門店をいくつか紹介したい。
■広安里オニャンプルコギ釜山チッ
△「広安里オニャンプルコギ釜山チッ」の看板メニュー・プルコギ
広安里(クァンアルリ)海水浴場の南西側にある、有名なプルコギ専門店。店の名の通り、オニャン式プルコギ専門店で、ミシュランガイド釜山2024に名を連ねた釜山を代表する店だ。異国情緒あふれる広安里の景色を見ながら肉が食べられるのも人気の秘訣。味付けされていない牛肉を焼いて食べる焼肉スタイルと、味付け牛肉の「オニャンプルコギ」が看板メニュー。牛肉料理のため、多少価格はお高めだ。
〇看板メニュー:オニャンプルコギ(1人分3万5000ウォン<約3820円>)、ヒレ焼き(4万3000ウォン<約4700円>)、熟成韓牛(4万8000ウォン<約5240円>)など。
〇住所:釜山市水営区南川パダ路32 <ハングル>수영구 남천바다로32
〇電話番号:051-754-1004
■西面「サミホン」
市内中心部・西面(ソミョン)にある、韓国の各界の有名人も御用達の韓牛専門店。鍋スタイルのプルコギが看板メニューで、きのこ(ポソッ)をふんだんに使った「ポソップルコギチョンゴル」や、牛骨スープに大ぶりの骨付き牛肉が入ったスープ料理「カルビタン」が人気。個室もあるため、宴会やイベント会場としてもよく使われる。
〇看板メニュー:韓牛ポソップルコギチョンゴル(1人分2万ウォン<約2200円>)、カルビタン(1万4000ウォン<約1530円>)
〇住所:釜山市釜山鎮区西面文化路19 <ハングル>부산진구 서면 문화로 19
〇電話番号:051-819-6677
■海雲台「ソムンナンアムソカルビチッ」
釜山で最もよく知られた牛肉専門店で、これまでに数えきれないほどの有名人が来店している。通常は生カルビやヤンニョムカルビを注文することが多いが、同店一番の人気メニューは「プルコギ」。他店のプルコギとは見た目が多少異なるが、ヤンニョムカルビと同じように薄切りにした肉を漬け込み、中央部分が盛り上がった形の鉄板に肉を並べ、煮詰めてから食べる。肉を食べた後、シメにジャガイモの麺を追加し、煮込んで食べるのがおすすめ。
〇看板メニュー:プルコギ(1人分4万9000ウォン<約5350円>)
〇住所:釜山市海雲台区海雲台海辺路333 <ハングル>해운대구 해운대해변로333
〇電話番号:051-746-3333