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爽快感あふれる夏の味・ピンス

釜山の味-かき氷探訪


 夏真っ盛りの8月、暑さでぐったりした体と心にエネルギーチャージをするのには、おいしいものが欠かせない。今月は体の芯まで涼やかになる氷と新鮮な果物、思わず写真を撮りたくなる可愛らしいビジュアルも兼ね備えたピンス(かき氷)を紹介したい。

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△韓国で食べられるさまざまなピンス。


■パッピンスからマンゴーピンスまで

   韓国はピンス全盛期


韓国のピンスに関する最初の記録は、朝鮮時代に遡る。当時漢陽(ハニャン、現在のソウル)では冬の間に凍った漢江(ハンガン)の氷を削り、貯蔵庫に保管して氷のない季節に使用していた。夏になると、西氷庫(ソビンゴ、朝鮮時代に設けた氷室の一つ)の氷を役人たちに分け与えていたが、この氷を細かく砕き、その上にのせたフルーツを食べたという記録が残っている。その後氷の保存技術が発達する中でピンスが一般的に広まり、1980年代には家庭用のかき氷機が発売され、夏の必需品として人気を集めた。


韓国のピンスは細かく削った氷の上に煮詰めた小豆をたっぷりかけ、練乳やトック(餅)、果物などさまざまなトッピングをのせる「パッピンス(小豆かき氷)」が一般的だ。しかし最近ではマンゴーピンスやインジョルミ(きなこ餅)ピンス、イチゴピンス、チョコレートピンスなど、小豆以外にも種類豊富なトッピングがあり、パッピンスの代表格・ピンスの地位が危ぶまれるほどのピンス全盛時代と言える。


韓国のピンスが本格的に全盛期を迎えた理由は、釜山で始まった韓国式デザートカフェ「ソルビン」の存在が大きい。パッピンスは通常、パン、ケーキなどを販売するベーカリーやカフェの季節限定メニューとして食べられるのが一般的だったが、ソルビンはピンスを四季のメニューとして打ち出した。一般のピンスより遥かにきめ細やかに削られた、雪のような氷の上に香ばしいきなこ、餅などをのせて子どもから大人まで幅広い世代をとりこにした。またピンスに小豆をのせるのが基本だった時代に、イチゴピンスやチョコレートピンスなどのメニューを販売。小豆のないピンスというインパクトが話題となり、人気を集めた。台湾で人気のマンゴーピンスも韓国に上陸し、ホテルなどを中心にフルーツピンスが人気となり、夏の時期にはピンス業界での競争が繰り広げられるようになった。最近ではケーキのようでピンスのような、見分けがつかないほどの豪華なトッピングが自慢の多彩なピンスも注目を集めている。


(お役立ち情報)ピンスの食べ方:氷とトッピングを一度にかき混ぜるとすぐに溶け、氷水状態のピンスを食べることに。トッピングをメインで先に食べてしまうと、最後に氷だけが残るため、大きいピンスほどトッピングと氷のバランスを考えながら、混ぜ合わせて食べるのがポイント。

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△「龍湖洞ハルメパッピンスタンパッチュッ」で販売中の小豆粥、パッピンス、たい焼き。


■釜山のピンス人気店


南川(ナムチョン)緑茶パッピンス=パッピンスの上にかかった、緑茶パウダーがアクセント。

[看板メニュー]パッピンス4000ウォン(約450円)、小豆粥4000ウォン

[営業時間]午前10時~午後10時

[住所]釜山市水営区水営路394番ギル28 (ハングル)부산시 수영구 수영로 394번길28 


・龍湖洞(ヨンホドン)ハルメパッピンスタンパッチュッ

甘みを抑えた、オーソドックスな伝統パッピンス。

[看板メニュー]パッピンス4000ウォン、小豆粥4000ウォン。

[営業時間]午前10時~午後10時(夏の期間は午後10時30分まで)

[住所]釜山市南区龍湖路90番ギル24 (ハングル) 부산시 수영구 용호로 90번길 24


・ソルビン

日本にも進出した、牛乳ピンス専門店。釜山発祥のブランドで、今も釜山で人気のあるフランチャイズ。

[看板メニュー]インジョルミソルビン8900ウォン(約1000円)、アップルマンゴーチーズソルビン1万3900ウォン(約1570円)、オレオチョコモンスターソルビン1万2900ウォン(約1460円)

[営業時間]店舗によって異なる。

[店舗検索]sulbing.com


・ビビビダン

海雲台(ヘウンデ)のタルマジコゲ(月見峠)にある、景色の良い韓国伝統喫茶店。喫茶店だがピンスのほうが有名な、ピンス人気店。

[看板メニュー]かぼちゃピンス1万2000ウォン(約1360円)、パッピンス1万2000ウォン。

[営業時間]午前10時30分~午後9時30分(土・日曜日は午後10時まで)

[住所]海雲台区タルマジギル239-16 4階 (ハングル)해운대구 달맞이길239-16 4층