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ソンピョン、ジョン、カルビチム…秋夕に欠かせない韓国名節グルメ

秋夕特集 名節料理


朝晩の風が秋めいてきた。秋は韓国最大の名節「秋夕(チュソク)」がある。名節とは陰暦のお盆や正月を指し、韓国では今年9月9日~12日にチュソクの連休を迎える。チュソク当日は9月10日で、陰暦の8月15日。前後の日を合わせて3日間休み、家族全員が集まって先祖をしのび、旬の食材を使った料理を食べる。今月のダイナミック釜山ではチュソクにちなんで、韓国の名節料理を紹介したい。


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新穀で作る餅とチヂミを食べる風習


チュソクの料理は、収穫したばかりの穀物と旬の食材を使って作るのが特徴だ。地域によって違いはあるが、ソンピョン(松葉餅)や各種ジョン(日本ではチヂミでもおなじみ)は外せないメニュー。特に新米で作った餅は、豊作の年だけ食べられる、めでたいものだった。チュソクに食べる餅は「ソンピョン」と言い、米粉に沸かしたお湯を入れてこね、少しずつ手に取りゴマや大豆、小豆などの中身を入れる。それを半月形に整え、松の葉を敷いて蒸せば完成だ。ソンピョンの丸い形には、満月のよう豊かになるという意味が込められている。餅を蒸す時に敷く松葉は餅の風味を豊かにし、殺菌成分もある。


※販売所:ソンピョンは釜山全域の餅専門店や総合スーパー、伝統市場で1年を通して簡単に購入可能。


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■チュソクの食卓に並ぶメインメニュー「カルビチム」1


チュソクは老若男女が集まって食事するため、食べやすく消化もよく柔らかい肉料理「カルビチム」が食卓に並ぶ。カルビチムは牛カルビや豚カルビを5㎝ほどの大きさに切り、しょう油などの各種タレに漬けこみ、煮込んだ料理だ。柔らかい肉質と甘みのある味わいで、子どもからお年寄りまで皆で楽しめる。煮込んだ肉の上に、銀杏や錦糸卵を飾り付けることもある。タレに長く漬けた場合は、中まで十分に火を通すことで柔らかい肉になるため、下準備から調理まで3~4時間ほどを要する非常に手の込んだメニュー。


カルビチムはタンパク質が豊富で、筋肉の形成や体力補強に効果的だ。主に穀類と野菜が中心の韓国の食卓では、秋の収穫を終え、疲労回復のために食べる料理でもある。


※販売所:主に韓定食を出す飲食店や、肉料理専門店などで食べることができる。


■名節・宴に彩りを添える香ばしい香り…ジョンとティギム(天ぷら)


ジョンは各種材料に卵と小麦粉を混ぜ合わせ、鉄板で焼いた料理だ。日本でもよく知られた「チヂミ」や、釜山の郷土料理「東莱パジョン」もジョンの一種となる。△牛肉を細かく刻み、卵や豆腐などを加えて揚げたトングランテン△薄く切ったサツマイモを挙げたサツマイモのジョン△短く刻んだニラと小麦粉の生地を混ぜあわせたプチュジョン△カニ蒲鉾、長ネギ、トウガラシ、たくあん、ハムなどを揃えて串に刺した三食串ジョン△タラの身を使ったミョンテジョン等々。エゴマの葉を入れるとケンニプジョン、ジャガイモを使えばカムジャジョンなど、メインの材料によってその数は無限大に広がる。


※販売所:韓国の家庭で食べられている「ジョン」や「ティギム」を食べるなら、伝統市場に行ってみよう。お薦めは、釜山市の中心繁華街・西面(ソミョン)に近い釜田(プジョン)市場。同市場内にはジョンなどをメインに販売しているおかずの店があちこちにある。また釜山市内の至る所にある伝統酒店でも、おつまみにジョンを注文して食べられる。