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ミルミョン、冷麺で初夏の暑さを吹き飛ばそう

ミシュランガイドin 釜山③ミルミョン、冷麺の季節 


5月下旬、釜山広域市では日中の気温が25度以上になるほど暑くなった。急な暑さ対策のため、多くの人が冷たい麺料理を食べに行く。現在「ミルミョン(小麦麺)」と「冷麺」の多くの専門店では、ランチタイムには満席になるほど混雑し、今年も冷たい麺料理の季節が来たことを思わせる。


2つの麺料理は似ている。元々、冷麺の代わりに造られたのがミルミョンだからだ。いずれも冷やしたスープとコシのある麺、歯ごたえのある肉や各種野菜、甘辛いヤンニョム(タレ)がトッピングされており、スープの代わりにヤンニョムを混ぜて食べるビビンミョンがある。


冷麺は朝鮮半島の北方地域で食べられはじめ、16世紀の古い文献に名前が出てくるほど、長い歴史がある。基本は冷たく透き通ったスープに、そば粉で作った麺を盛り付けて出す水冷麺(ムルネンミョン)。水冷麺の代表格は平壌(ピョンヤン)冷麺で、名前からも分かるように、現在では北朝鮮の首都・平壌が発祥とされている。一方ミルミョンは釜山発祥の郷土料理で、ミルミョンの「ミル」は韓国語で小麦粉を意味する「ミルカル」の「ミル」だ。1950年代前半、6.25戦争(朝鮮戦争)時に誕生した料理で、戦争によって手に入りにくくなったそば麵(冷麺)の代わりに、救援物資として大量に入って来た小麦粉で製麺したもの。


釜山の味がおすすめするミルミョン専門店


釜山を代表する郷土料理とあり、ミルミョン専門店の競争は激しい。市は数百店ある専門店のうち、庶民的な味や衛生管理面を考慮した上で、人気店を集めたガイドブック「釜山の味」に掲載。この中の2店を紹介する。


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△クッチェミルミョンの水ミルミョンとビビンミルミョン。


□サムソンミルミョン


釜山鎮(プサンジン)区の釜山市立市民図書館近くにある「サムソンミルミョン」は、釜山で最も歴史のあるミルミョン専門店の一つで、一代目の創業者が60年間営業を続けている。この店の特徴は、細切りの錦糸玉子がたっぷりトッピングされているところ。錦糸玉子の下には薄切りのキュウリや酢漬け大根、ゆで玉子、豚肉などが隠れている。スープは韓方薬の香りがほんのりただよう。麺は細麺で柔らかく、食べやすい。量も多いため、普段から量をたくさん食べる人でなければ「普通」サイズがおすすめ。


〇住所:釜山鎮区ワールドカップ大路449番ギル47(ハングル)부산진구 월드컵대로 449번길 47

〇営業時間:毎日午前10時30分~午後4時/午後5時~8時(火曜日定休日)

〇看板メニュー:水ミルミョン7500ウォン(約860円)、チュムルロッミルミョン(スープが少し入ったビビンミルミョン)、ビビンミルミョン各8500ウォン(約970円)

〇問い合わせ:051-806-1256


□クッチェミルミョン


釜山教育大学の近くにあるクッチェミルミョンは、肉の香りを堪能したい人におすすめ。牛骨スープのみで作ったスープは、肉の風味をしっかりと味わえる。他のミルミョン専門店は薄切りした牛肉をトッピングすることが多いが、ここでは細く裂かれた牛肩バラ肉がのせられ、食事が終わるまで肉の歯ごたえを感じながら食べられる。ヤンニョムは辛さ控えめなので、子どもからお年寄りまで楽しめる。


〇住所:蓮堤区中央大路1235番ギル23-6 (ハングル)연제구 중앙대로 1235번길 23-6

〇営業時間:毎日午前10時~午後9時(旧暦の盆、旧正月定休日)

〇看板メニュー:ミルミョン(水・ビビン)各9000ウォン(約1030円)

〇問い合わせ:051-501-5507  


ミシュランガイドが選んだ冷麺の人気店


ミシュランガイドではミルミョンではなく、釜山の冷麺専門店に注目した。多くのミルミョン専門店がありながらも、おいしいと評判で長い間営業を続けている。いずれも手頃な価格と優れた味を持ち合わせた「ビブグルマン」に選ばれている。


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△富多麺屋のビビン冷麺



□富多麺屋(부다면옥, プダミョノッ)

海雲台区庁の近くにある純そば冷麺(平壌冷麺)専門店で、メニューは水冷麺、ビビン冷麺、韓牛スユク(ゆで肉)の3種類。看板メニューの水冷麺は、太めのそば麺に白濁したスープ、牛肉スユク1枚とゆで玉子がトッピングされている。見た目こそシンプルだがコクのあるスープ、香ばしくコシのある麺が魅力の一品だ。さっぱりした平壌冷麺を食べたければ、ぜひ一度立ち寄ってみよう。

〇住所:海雲台区中洞1路36 海雲台薬局2階(ハングル)해운대구 중동1로36 해운대약국 2층

〇営業時間:毎日午前11時~午後7時(月曜日定休日)

〇看板メニュー:純そば冷麺(水・ビビン)各1万2000ウォン(約1380円)

〇問い合わせ:051-746-8872


□タムミオッ(담미옥)

都市鉄道(地下鉄)2号線の開琴(ケグム)駅3番出口から徒歩約2分の距離にあり、平壌冷麺(水、ビビン)やこの店独自のエゴマ油そばを販売している。富多麺屋と同様にそば粉を使った平壌冷麺に肉が1枚盛りつけられ、ゆで玉子の代わりに錦糸玉子がトッピングされている。他店との大きな違いはビビン冷麺。ゴマと韓国海苔がたっぷりかかり、甘みより香ばしさが引き立ち、個性的なビビン冷麺が味わえる。またエゴマ油そばは、ビビン冷麺に使われるコチュジャンの代わりにエゴマ油やエゴマ、ゴマ塩、韓国海苔を入れ、辛みよりも香りが際立ったメニューだ。


〇住所:釜山鎮区福祉路15、103号 (ハングル)부산진구 복지로15, 103호

〇営業時間:火~土曜日 午前11時~午後8時、午後3~5時はブレイクタイム。

      日曜日 午前11時~午後3時(月曜日定休日)

〇看板メニュー:平壌冷麺(水・ビビン)、エゴマ油そば 各1万2000ウォン

〇問い合わせ:0507-1325-5318