秋の釜山を散策しよう
Enjoy Busan 秋、釜山の自然
秋は涼やかな風が吹き、山や野原は赤や青、黄金色など色とりどりに染まり、トレッキングにぴったりの季節。釜山にはなだらかな山が多く、無理なく頂上まで登れる。今月は美しい釜山の秋を満喫できる、おすすめのコースを紹介したい。
△乗鶴山中腹のススキ平野の風景。
■銀色に揺らめく乗鶴山のススキ平野
おすすめコース:治癒の森-ススキ群生地-乗鶴山頂上(約3.6㎞、所要時間:約1時間30分)
釜山の山の中でも、秋は特に人が多いのが乗鶴山(スンハクサン)。沙下(サハ)区の中心地にあり頂上は海抜497mと低く、登山路も整備が行き届いているため、釜山市民に親しまれている。頂上までは約1時間30分。
△乗鶴山の治癒の森の風景。
△乗鶴山中腹のススキ平野の風景。写真提供:国際新聞
秋になると白いススキ平野が雄大で美しく、乗鶴山トレッキングの必須コースの一つ。山稜に沿って広大なススキ平野(ススキ群生地)が広がり、今の時期は風が吹くと黄金色、銀色に染まったススキが波打つようにゆらめく。
沙下区は登山客向けに計5つのコースを提案しており、中でも秋におすすめなのはチェソッコル山林公園を出発し、治癒の森、ススキ群生地、夕日展望休憩所を過ぎ、釜山保健大学まで続く「乗鶴山治癒の森ルート」に沿って行くコース。
チェソッコル山林公園を出発して治癒の森に入ると、緑の生い茂った広い林道に出る。登山路は平坦な小道や木製の階段、舗装されていない道などが交互に現れる。途切れ途切れにススキが見え始め、群生地に入り、平たい野原を背景に垂れ下がったススキの間を通ると、秋真っ盛りの雰囲気を味わえるはずだ。
ススキ平野で最も高い場所は、山周辺の全景が見える展望台。市内を囲む峰の隙間にそびえるビルや、山並みを分け入って流れる洛東江(ナクトンガン)が一望できる。
▶乗鶴山登山路の入り口
都市鉄道(地下鉄)1号線堂里(タンニ)駅1番出口を出て、近くのバス停留場からマウルバス(<地域バス>沙下区2、2-1)に乗車し、トンウォンべネスト2次(アパート)前の停留場で下車。山方面に約260m移動し、乗鶴山案内図そばの登山路から入る。
△秋の紅葉で染まった梵魚寺の石畳。
■釜山の秋の象徴「金井山」
おすすめコース:梵魚寺-北門-姑堂峰-金井山城村(約7.2㎞、所要時間:約3時間30分)
釜山の秋を最もよく感じられる山と言えば、金井山(クムジョンサン)。高さ801.5mと釜山で最も高く、山の各所に伝説や秘境がある。舗装された登山路と比較的平坦な山模様で、無理なく登れる。金井山のトレッキングコースには紅葉やススキが至る所に群れを成し、特に11月は大勢の登山客が訪れる。山のどこでも美しい紅葉が見られ、自然の風景はもちろん、「金井山城(クムジョンサンソン)」や「梵魚寺(ポモサ)」などの文化遺産もあり、韓国の昔ながらの雰囲気を感じられる点も魅力だ。トレッキングコースが多く、中でもおすすめは梵魚寺を出発し、金井山城の北門を過ぎて頂上の姑堂峰(コダンボン)まで行き、金井山城村へと下りるルート。所要時間は約3時間30分で、距離は約7.2㎞。
△金井山城の北門一帯の風景。
△金井山の頂上へ向かう登山路から見た風景。
梵魚寺の曹渓門(チョゲムン)のそばにある登山路(金井山第2登山路)に沿って登ると、早ければ1時間(約2㎞)以内に金井山城の北門に着く。朝鮮時代に造られた城門で、北門を中心に金井山城の城壁が連なり、韓国の時代劇の一場面を思わせるような雰囲気が漂う。秋になると北門の周囲にはススキ平野が広がり、いっそう情緒がある。
ここから頂上の姑堂峰までは約900m。姑堂峰までの道のりはなだらかで、市内中心部の各地を見渡せる絶好のビュースポット。姑堂峰に登った後再び北門まで戻り、南側の金井山城村までは約3.8㎞で、1時間10分ほどかかる。
韓国の登山客は下山後、おいしいグルメとお酒を楽しむ人が多い。コース最終ポイントの金井山城村は、マッコリとオリプルコギ(鴨肉プルコギ)で有名な場所。登山で疲れた体と空腹を満たしに、村の各専門店へオリプルコギやマッコリ、パジョン(ネギチヂミ)を食べに行ってみよう。
△金井山城村で食べられるパジョンと金井山城マッコリ。
〇アクセス:都市鉄道1号線梵魚寺駅5、7番出口→循環バス90番に乗車後、梵魚寺入り口で下車し、山登りスタート。
△金井山城のケーブルカー。
金井山をもっと楽に登る方法もある。金剛(クムガン)公園のロープウェイを利用すれば、金井山の540m地点まで短時間で到着する。ロープウェイの料金は大人往復1万1000ウォン(約1200円)。満4歳~12歳は8000ウォン(約870円)。問い合わせ:051-860-7880
〇金剛公園へのアクセス:都市鉄道1号線温泉川(オンチョンジャン)駅5番出口