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過去と未来が共存する都市釜山、「進歩と平和」を具現中

[2030国際博覧会 なぜ釜山なのか] 


国際博覧会(万博)は、開催のたびに一歩先を行く時代精神を提示することで、世界をリードしてきた。毎回新しいスローガンで、未来へと突き進む道しるべを示した万博のテーマは「進歩」と「平和」。2030年の国際博覧会誘致のため、釜山広域市が掲げたスローガンは「世界の大転換、より良い未来に向けた航海」だ。開催希望地の釜山は、進歩と平和というスローガンをそのまま実現している町だと言える。


1950年に起こった6.25戦争(韓国戦争)以後、世界各国から届いた救援物資は、釜山港を通じて韓国全域に届けられた。それから70年後の2020年、国内総生産(GDP)は1兆6309億ドルとなり、世界10位の経済大国として成長を遂げた。韓国の発展は、釜山が始まりだったとも言える。


高層ビルの密集した最先端都市「進歩」のセンタムシティ

8-1 센텀시티_부산관광공사 

▲センタムシティの全景


釜山は韓国第二の都市で、高層ビルが多く建ち並ぶ大都市だ。中でも代表的なショッピングエリア、観光地である海雲台(ヘウンデ)区センタムシティは、進歩や変化を象徴する場所と言える。センタム(Centum)はラテン語で数字の100を意味し、センタムシティは「100%完璧な最先端未来都市」を意味する。しかし、わずか20数年前までは釜山国際空港の跡地として、金海(キメ)空港の開港とともに、空き地となっていた場所だった。2000年代、釜山最大の展示場・BEXCOや釜山市立美術館、新世界デパートセンタムシティ店のオープン、釜山国際映画祭の専用会場である映画の殿堂などがこの地に建設されたほか、多くのビルが建ち並び、10年余りで風景は一変した。ここは映画や映像、MICE(マイス:英語で企業会議、報酬旅行、国際会議、イベントの頭文字を取った造語)、IT企業、ウェブ漫画などを扱うコンテンツ企業など、「煙突のない産業団地」「ショッピングの名所」として釜山のみならず、韓国の代表的な未来・先進都市として親しまれる場所に生まれ変わった。


〇アクセス:都市鉄道2号線センタムシティ駅下車。


人々に忘れ去られた村の再生「平和」の甘川文化村

8-1-2 감천문화마을 야경- 인스타그램 김상동 님
▲釜山のサントリーニ・甘川文化村の夜景。 写真提供・KIM SANGDONG


センタムシティが未来志向的なエリアである反面、釜山の西側には、過去の姿を残しながら平和、調和の空気を漂わせる場所「甘川(カムチョン)文化村」がある。


甘川文化村は色とりどりの屋根で覆われた家が重なり合い、ギリシャのサントリーニ島のような雰囲気を連想させることから、釜山のサントリーニとも呼ばれている。6.25戦争直後、戦火を逃れてきた人々の居住地として知られていた場所で、2009年まで長年行政による再開発などは行われていなかった。釜山市は、このエリアで全世帯の10%が空き家となった後、空き家や路地の至る所に芸術作品を設置、壁画を描くなどし、ギャラリーとしてリモデリングを行った。以後、毎年数百万人が訪れる観光地として生まれ変わった。


甘川文化村の都市再生は、目下進行中だ。あちこちにカフェができ、新たな芸術作品も定期的に数を増やしている。


〇アクセス:都市鉄道1号線土城(トソン)駅9番出口を出て、約190m先のバス停留場まで進む。マウルバス(地域バス)の西区2-2に乗車し、甘川文化村停留場で下車。