春爛漫!釜山の都市公園でピクニックを楽しもう
春の息吹が最も感じられる5月は、韓国では「季節の女王」と呼ばれ、春のお出かけに最適な時期だ。釜山市民はこの時期、ピクニックを楽しむために近くの公園へと足を運ぶ。
最も人気のある公園は、釜山市民公園と海雲台(ヘウンデ、해운대)樹木園だ。どちらの公園も、広大な緑地と美しい景観、魅力的な体験スペースや充実した利便設備・施設などが備わっており、釜山を代表するピクニックスポットとして人気が高い。
見ているだけで心が爽やかになる2つの公園。その歴史を知れば、訪れる楽しみも一層深まる。かつて米軍基地だった釜山市民公園と、ゴミ埋立地だった海雲台樹木園は、釜山市の都市再生の代表的な成功例として、過去の記憶を一新し、自然と文化が息づく空間へと生まれ変わったのだ。
5月の釜山市民公園は、暖かな日差しと心地よい風、そして緑の爽やかさで満ちている。
釜山市民公園のテントで楽しい時間を過ごす家族。
昨年、釜山市民公園で行われた「釜山春の花展示会」の様子。(釜山日報)
釜山市民公園の芝生図書館。(国際新聞)
趣のある風景を生み出す釜山市民公園の湖。(ビジット釜山)
釜山市民公園で愛犬と散歩を楽しむ市民。
■釜山市民公園
釜山鎮(プサンジン、부산진)区に位置する釜山市民公園は、釜山を代表する都市公園で、返還された米軍基地「キャンプ・ハヤリア」の敷地に造成され、2014年5月1日に開園した。公園の広さは約47万㎡にも及び、記憶・文化・楽しみ・自然・参加という5つのテーマで、多様な空間が整備されている。
以前、滑走路として使われていた4万㎡規模の「ハヤリア広場」、 市民が寄贈した4万6000本以上の木々で作られた「参加の森」、 高さ25mを誇る大噴水「ハヌルピッ(하늘빛、空色)滝」など、多彩な名所が、日々訪れる人々を迎えている。また、軍事基地時代を垣間見ることができる当時の建物も、ひと味違った見どころだ。
4月からは、釜山市民公園で日よけテントの設置が可能になった。2.5m×3mの4人用以下の小型テントのみ設置が許可され、テント使用時は、少なくとも2方向は開口しなければならない。ロープ・ポール・ペグ(杭)などの固定する道具は使用できず、月曜日は設置が禁止されている。
多少の制約はあるものの、家族や恋人同士で穏やかな時間を過ごすには、ぴったりの場所として人気を集めている。 テントの設置は10月末まで許可されており、レジャーシートは期間や場所に関係なくいつでも使用できる。
釜山市民公園のタソム(다솜)広場では、5月2日から5日間にわたり、「釜山春の花展示会」が開催される。今年は5月2日から6日まで、華やかな花のオブジェやフラワーアートなどの展示が行われ、都市農業体験プログラムも開かれる。全国花茶コンテスト、小中高のフラワー創作コンテスト、プロポーズイベントなど、多彩な行事も同時に開催される。
釜山市民公園の北西には、釜山初のクラシック専用ホール「釜山コンサートホール」がある。この釜山コンサートホールは、今年2月に完成し、6月20日、正式に開館を迎える予定だ。 地下1階、地上3階の構造で、2,011席の大ホールと400席の小ホールを備えており、大ホールは観客席が舞台を囲む「ヴィンヤード」形式で設計され、最高の音響を提供する。特に、非首都圏で初めてパイプオルガンが設置され、クラシック音楽愛好家の期待を集めている。
住所: 釜山鎮区 市民公園路 73
開園時間: 午前5時〜深夜0時
アクセス: 都市鉄道1号線 釜田(プジョン、부전)駅7番出口から直進後、
釜山銀行で左折(徒歩約20分)
海雲台樹木園
海雲台樹木園に遠足に来た子供たち。
5月を迎え、花が満開の海雲台樹木園にあるバラ園。(釜山日報)
海雲台樹木園のあちこちを歩き回る羊たち。
■海雲台樹木園
釜山海雲台区に位置する海雲台樹木園は、かつてゴミ埋立地だった場所を自然と共生する空間へと生まれ変わらせた都市再生の代表的な事例だ。2020年6月に臨時開園され、今年中に全面開園を目指して拡張が続けられている。
現在開園中の区域は第1段階区域で、面積は約41万5000㎡に及ぶ。「樹木園」という名の通り、樹木574種、約18万1000本、草花93種、約19万8000株が植えられている。木や草花にはネームプレートが付いており、どのような種類なのか一目で分かる。偶然見つけた美しい花の名前が分からず、もどかしい思いをすることもない。
海雲台樹木園は、植物ごとにエリアが分かれている。200種以上、3万5000本のバラが咲き誇る「バラ園」、 山鳥のさえずりが心地よい「さえずりの庭」、 ローズマリー・チェリーセージ・カワミドリなどの香りが漂う「ハーブの道」、 フナ・コイ・アオサギ・マガモなどの多様な動物が各種の水生植物と共生する「生態湿地園」など、多彩なエリアがあり、どこを歩いても飽きることはない。
海雲台樹木園のもう1つの名物は、羊とヤギだ。 訪れる人々を気にすることなく、自由に草を食べながら園内をのんびりと歩き回っている。 かつてはダチョウやロバが見られるミニ動物園もあったが、今年6月までの開園を目指して工事中のため、現在は入れない。
海雲台樹木園をより早く、快適に楽しみたい人のために、14人乗りのカートが運行されている。 毎年3月から10月まで、毎日午前10時から午後5時10分まで運行する。正午から午後1時30分、午後3時から4時までは、充電のため一時運行を停止する。 利用料は無料。予約不要で、現地で先着順に乗車できる。
海雲台樹木園内には水飲み場がないため、訪れる前に水やドリンク類を準備しておくと安心だ。 また、自転車やキックボードなどの持ち込みは禁止されており、植物や果実の採集、昆虫を捕まえることも認められていない。木々や草むらが多いため、蛇や蜂などに注意が必要だ。ペットの入場は原則として禁止されているが、盲導犬などの補助犬は同伴が可能だ。入場料および駐車料は無料。
住所:海雲台区石大洞(ソクテドン、석대동)77番地
開園日:火曜日を除く月曜日〜日曜日(元旦・旧正月・秋夕(チュソク)の当日は休園)
開園時間:午前9時〜午後6時(入場は午後5時30分まで)
※11月〜2月は、午前9時〜午後5時(入場は午後4時30分まで)
アクセス:都市鉄道4号線の盤如(パニョ、반여)農産物市場駅2番出口から
道路を渡り、バス停から107番バス乗車 → 海雲台樹木園停留所下車(約5分)