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電話を切るとき「トゥロガセヨ」


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初めて韓国人と電話をした外国人は、電話を切る際に相手が何も言わないため戸惑ったり、不快に思ったりすることが多い。礼儀を重視する韓国で、なぜ電話のときは挨拶をしないのか。


その理由は、韓国が「ハイコンテクスト文化」の側面を持つためと考えられる。ハイコンテクスト文化とは「状況」を重視する社会で、反対に「ローコンテクスト文化」は「メッセージ」を重視する。韓国人は近しい関係の人々が周りにいる生活を送って来た。従って暗黙の了解で通じ合う部分が多く、非言語的で状況を中心としたコミュニケーションの比重が大きい。外国人の立場では最後の挨拶をしないため、いつ電話を切ればいいかわからないことが多いが、韓国人同士ならすぐに伝わる。主に「はい」「うん」「そうだね」などの返事を長く伸ばして発音することで、もう電話を切りたいという意思表示になる。


地域や人によっては「失礼します」(韓国語:トゥロガセヨ[들어가세요])という表現で、最後の挨拶の代わりにすることもある。電話があまり普及していなかった時代には、公衆電話や町の薬局など、家以外の公共の場所で電話を使うことが多かった。「トゥロガセヨ」は本来「無事に帰ってください」という意味。「電話を切った後、家まで無事に帰ってください」という思いが込められた挨拶が、現代まで残っている。