Skip Navigation

釜山「地方庭園」第1号に続き、韓国で3番目の「国家庭園」を目指す

2025年はへび年、今年の「乙巳」という干支から韓国では「青蛇の年(청사년)」とも言われる(乙は「青」、巳は「蛇」を表わす)。2025年、釜山は大きな変化の時を迎える。自然と都市、そして、そこから生まれる物語が、青い蛇のように姿を変え、新しく生まれかわる。


「だから釜山」では、読者の皆さんに釜山の移り変わりを実感できるスポットを紹介する「釜山の道を歩く」シリーズを連載する。その第一弾として、韓国で3番目の国家庭園を目指す洛東江(ナクトンガン、낙동강)河口の道を紹介する。


都市鉄道3号線の亀浦(クポ、구포)駅2番出口を出ると、川沿いの道へとつながる。遠くまで続くこの道は、桜並木のトンネルになっている。春は桜が舞い、夏は青葉が茂り、秋には紅葉が美しい道だ。20分ほど歩くと三楽(サムラク、삼락)ICが見える。


8-1
△三楽生態公園の黄金色に輝く葦の群生は、その幻想的な景観から人気のフォトスポットになっている。(写真:権晟勲)


ここで川沿いの道を離れ、右手の江辺(カンビョン、강변)大路の下にある地下道を抜けると別世界が広がる。目の前には広大な川が流れ、その風景はまるで海のようだ。洛東江は韓国で最も長い川で、510kmの流れの果てに海に至る。どこまでも、一面が野生の葦(アシ)で覆われたこの地は、三楽生態公園だ。


三楽生態公園は文化財保護区域に指定されている。洛東江下流一帯は、毎年多くの渡り鳥が訪れる重要な越冬地で、これを保護するために1966年7月23日、国家指定文化財・天然記念物第179号に指定された。さらに、1999年8月9日には湿地保護区域としても指定されている。


わずか15年前までは、三楽生態公園一帯にビニールハウスが広がっていた。ところが、2009年の「4大河川再生事業」により、現在の姿へと生まれ変わった。広大な湿地や葦の群生が復活し、渡り鳥の餌場、季節の草花を楽しめるエリア、芝生の広場に加え、自転車道、屋外プール、オートキャンプ場、水上レジャースポーツタウンなども利用できる。


また、公園内には中央公園をはじめとする4つのパークゴルフ場がある。9ホールから最大36ホールまであり、障がい者専用のゴルフ場も完備されている。


8-2
△三楽生態公園のパークゴルフ場は、老若男女を問わず人気のエリア。(写真:権晟勲)


釜山市は2023年8月に三楽生態公園を第1号の地方庭園に指定した。「地方庭園」とは、地方自治体が造成・運営する庭園のことを指す。関連する法律によると、「庭園」とは、植物、土や石、造形物などを展示・配置したり、栽培・手入れを行うことで継続的に管理される空間を意味する。


釜山市は、三楽生態公園とともに、洛東江河口の公園を国家庭園として整備する計画を進めている。「国家庭園」とは、国が管理する公共の庭園のことで、自然環境をより体系的に保護し、観光名所として活用できるというメリットがある。


この豊かな自然の中を歩くと、たった15分で心と体をリフレッシュできる。釜山初、そして韓国最大の洛東江国家庭園の指定を目指す三楽生態公園。その公園内にある「メンコンイ(カエルの一種、맹꽁이)の道」を歩きながら、渡り鳥と人が共存する「釜山の道」を楽しんでみては?


8-3
△冬の間、渡り鳥たちの住まいとなる三楽生態公園。(写真:権晟勲)