シークレットの宝庫「シークレット・コーヒーロード」で味わうビター&スウィート
五郎台公園からアナンティ社の高級ホテルなどがあるエリアまで続く海岸散策路は、春のお出かけにぴったりだ。平坦で歩きやすい道と果てしなく広がる青い海、そして打ち付ける波の音を聞きながらの散歩はまさに至福の時間だ。
「苦盡甘來」という言葉を知っているだろうか?苦あれば楽ありという、まさにYOLOカルメッキルコース2を表す意味の言葉だ。カルメッキルのホームページによると「シークレット・コーヒーロード」と呼ばれるこのトレッキングコースは、次のように紹介されている。
「さまざまなコーヒーとデザートを楽しむことができるコーヒーの香りに包まれた海岸沿いのカルメッキル」
この紹介文に嘘はない。ただ、それ以上のことも隠されていた。全長16kmのこのコースは、YOLOカルメッキルのコースの中で最長だ。実際に歩いてみると、累積標高580mで、決して平坦なコースではない。トレッキングを終えた後、先ほどのホームページの紹介文からは想像できなかったしんどさ(ビターな一面)もあり、いろいろな感情がこみ上げてきたが、やはり、その紹介文に嘘はなく、満足できた。以下で、なぜそう感じたか話そうと思う。
YOLOカルメッキルコース2のスタート地点は、機張(キジャン、기장)郡庁だ。都市鉄道の東海(トンへ、동해)線の機張駅で下車し、徒歩10分ほどで到着する。街路樹や電柱に貼ってある目印を辿って進むと、いつの間にか「ウシン・ネオビルアパート(우신 네오빌 아파트)」に着くのだが、ここがまさに「ビター」の始まりだ。
マンション敷地内の急な坂道を登り切りると、その先には意外にも烽台(ポンデ、봉대)山が続いていた。カルメッキル初心者には正直きつい。登り切ったら、コーヒーでも飲もうかと思っていたのに、山、また山とは。
ただ、幸いにも烽台山は、標高約230mの小さな山で、登山道も整備されているため登りやすかった。さらに山頂からは一面に広がる海と機張一帯を望むことができた。
烽台山を後にし、さらにコースを進むと機張の観光名所の竹城(チュクソン、죽성)聖堂がある静かな漁村の月田(ウォルジョン、월전)村に至る。外観は何の変哲もない聖堂なのだが、実は2009年に放送された韓国ドラマ「MY DREAM〜マイドリーム〜」の撮影のために作られたセットなのだ。漁村にあるこの聖堂は、その独特な雰囲気と美しい景観から、多くの人々が訪れる観光スポットとなった。
月田村を抜け、緩やかなトレッキングコースを進み、もう一度、烽台山を超えると大辺港(テビョンハン、대변항)が見えてくる。ここで「ビター」は終わり、「スウィート」の始まりだ。大辺港から蓮花里(ヨンファリ、연화리)を経て、五郞台(オランデ、오랑대)まで続く海岸散策路は、青海原・しきりに打ちつける波・陽気なカモメの鳴き声が調和し、記憶に残るコースを経験できる。
五郎台を起点にYOLOカルメッキルコース2は、「シークレット・コーヒーロード」という名の通りさまざまなカフェが点在するコースだ。リゾート施設内に位置する古風なカフェ・4階建の建物全体にコーヒーの香りが漂う大型カフェ・民家を改装したこじんまりとしたカフェなど、さまざまなカフェが軒を連ねている。ゆっくり歩きながら好みのカフェを見つけ出すのがこのYOLOコースの醍醐味だ。
コーヒーを満喫した後、国立水産科学院・海東龍宮寺(ヘドンヨングンサ、해동용궁사)を過ぎると松亭(ソンジョン、송정)海水浴場に着く。YOLOコース2のゴール地点である松亭公園は、森林セラピーの成分としても知られているフィトンチッドが溢れる海松の下にベンチもたくさん備え付けられており、歩き疲れた心身を癒すのに最適だ。公園内に設けられた東屋の松一亭(ソンイルジョン、송일정)は、松亭海水浴場を一望できるベストスポットなので、ぜひ足を運んでみてほしい。

YOLOカルメッキルコース2に位置するカフェから眺めることができるオーシャンビュー。

松亭海水浴場の東屋の松一亭で一休みしよう。