春が戻ってきた!静かな海岸の風情を満喫しながらカルメッキルの旅を始めよう
YOLOカルメッキルコース1の途中にある新坪小公園は、歩き疲れた足を休めるのに最適な場所だ。一面に広がるオーシャンビューや風情ある東屋、生い茂る松の木が心身ともに癒してくれる。(出典:カルメッキル)
今回は、釜山の散策路「YOLOカルメッキル(갈맷길 カモメの道。カモメは釜山の象徴)」の特集です。
「YOLOカルメッキル」は、釜山各地を巡るトレッキングコース、カルメッキル(全長278.8㎞)の、海岸コース7か所・登山コース2か所・河川コース1か所のYOLOコースからなるが、それぞれのコースには、特別なテーマが込められている。
この名称は、「今の幸せを大切にする」という意味の「YOLO(You Only Live Once)」と、「こちらへ」という意味の慶尚道(キョンサンド、경상도)の方言「ヨルロ(욜로)」に由来している。
ここからは、釜山市の日本語ニュースとともに「YOLOカルメッキル」を散策しながら、多彩な釜山の魅力を存分に楽しもう。距離・所要時間・コースの難易度だけでなく、見どころやアクティビティについても紹介する。
YOLOコース1は釜山各地を巡るカルメッキルのスタートコースであり、ゴールともなるカルメッキル1-1区間に当たる。このコースは、機張(キジャン、기장)郡の林浪(イムラン、임랑)海水浴場から七岩港(チラムハン、칠암항)を経て日光(イルグァン、일관)海水浴場へと続く道だ。
青い海を望む全長約9.1kmのコースは、傾斜はなく、ゆっくり歩けばおよそ3時間でゴールすることができる。打ち寄せる波の音が旅の趣を一層深めてくれるだろう。
スタート地点は、静かで素朴な雰囲気が特徴の釜山最東端にある林浪海水浴場だ。1㎞以上続く砂浜は、他の海水浴場より砂の色が明るく、真っ白な砂浜と青い海が、唯一無二の風景を作り出している。
さらにコースに沿って南下していくと、七岩港に着く。ここでは、アナゴ灯台・カモメ灯台・野球灯台など、ユニークな灯台が見どころだ。また、味だけでなく食感も楽しめる特産物のアナゴの刺身を求めて、全国から多くの人が足を運ぶ。
アナゴだけがおすすめなのではない。最近では、「七岩四季(チラムサゲ、칠암사계)」というベーカリーカフェがオープンした。釜山出身の「製菓名匠*」である李興龍(イ・フンヨン、이흥용)が手がけたこのカフェは、穏やかな機張の海を眺めながらコーヒーとパンを楽しむのに最適なスポットだ。2024年には「釜山の味」にも選ばれたことがある。
七岩港を後にしてコースを進むと、新坪小(シンピョンソ、신평소)公園に至る。海沿いに整備されたこの水辺公園は、小規模ながら見どころ溢れる場所だ。大小の岩礁や磯が、ダイナミックな海岸線を作り出す。岩に打ち寄せる波の音は、まるで自然が奏でるASMRのようだ。
公園内には整備された遊歩道があり、松の木が生い茂る風情ある景色が広がっている。静かな東屋もあり、歩き疲れた体を休めるのに最適だ。海に向かって設置された帆船のような形の展望台に立つと、見渡す限りの大海原を眺めることができる。
新坪小公園からさらに進むと、冬柏港(トンベクハン、동백항)と伊東港(イドンハン、이동항)に着く。どちらも閑静な漁村で、ひと休みしながら海を眺めてぼんやりと過ごすのにぴったりのスポットだ。
伊東港から少し歩くと、ゴールの日光海水浴場に着く。機張八景の1つで、他の海水浴場に比べて水深が浅く波も穏やかなため、子ども連れの家族に人気の避暑地だ。海水浴場の中央には、船の舳先に似た展望台があり、ここに立つと、広大な海の景色を存分に楽しむことができる。
*製菓分野で卓越した技術だけでなく豊富な経験を持ち、認定条件を満たした限られた職人に韓国政府から与えられる称号を意味する。
七岩港の造形物の向こうに見える個性的な灯台(出典:カルメッキル)
新坪小公園にある帆船のような形の展望台(出典:ビジット釜山)