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釜山へ大手企業の投資ラッシュ…「ビジネスフレンドリーな都市」へ飛躍

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ルノー韓国は釜山工場に数百万ドルを投資し、電気自動車を製造できるようになった。


企業にとって魅力的な都市である釜山に、グローバル企業が次々と集まっている。特に、モビリティ・半導体・エネルギー・造船・海洋産業など、さまざまな分野の韓国内外の大手企業が、釜山に工場や研究所を設立し資金を投じている。

 

その中でも、総資産5兆ウォン以上の大手企業「DNオートモーティブ」が、釜山に今後の重要な生産拠点を設立する。同社は、財界ランキング74位の企業であり、自動車の部品とバッテリー、さらに工作機械などを生産している。2月20日には釜山市と投資に関する覚書(MOU)を締結した。

 

この協約に基づき、DNオートモーティブ は4,400億ウォンを投じ、車載用の最先端バッテリーを専門的に製造する大規模な工場を、2028年までに釜山に建設する計画だ。さらに、研究開発・生産・経営支援など、さまざまな分野で釜山勤務の社員、約300人を新規雇用する予定である。

 

一方、釜山を代表する半導体企業「リノ工業」は、総額2,000億ウォンを投じ、江西(カンソ、강서)区エコデルタシティに工場を新しく建設する。この新工場は、2026年下半期の稼働を目指しており、延床面積は6万9,525㎡の規模となる。加えて、工場で勤務する約200人の新規雇用も計画している。

 

また、「ルノーコリア」は、2月に釜山工場の混流生産ラインへの転換を完了した。これにより、内燃機関車と電気自動車を同時に生産できるようになった。この成果は、昨年3月に釜山市と次世代車の生産拠点構築に向けた、投資に関する覚書を締結したことによるものだ。今後も、ルノーコリアは2027年までに、釜山工場に総額1兆5,000億ウォン規模の投資を進める計画だ。

 

さらに、韓国内で電力・自動化分野のトップ企業である「LSエレクトリック」は、総額1,000億ウォンを投じ、今年9月までに釜山事業所内の工場を増設する見通しだ。釜山事業所は、超高圧電力機器の主要な生産拠点であり、今回の増設により、蒸気相乾燥炉(VPD:Vapor Phase Drying)2基・組立場・実験室・溶接場など、超高圧変圧器の生産工程が整備される予定である。

 

また、鉄道・モビリティ制御技術の専門企業「VCテック」が、釜山にリショアリングする。VCテックは、鉄道車両や電気自動車の制御技術分野で韓国内トップの企業である。昨年12月には、釜山市と268億ウォン規模の、韓国復帰投資に関する覚書を締結した。この協約に基づき、VCテックは中国の上海にある生産工場を閉鎖し、機張(キジャン、기장)郡の東南圏放射線医科学産業団地に、鉄道・モビリティ用インバーター制御装置の生産拠点を、2026年に設立する計画だ。これにより、少なくとも37人の新規雇用が創出されると見られる。

 

加えて、韓国の造船・海洋専門企業「ハンファオーシャン」は、総額100億ウォンを投じ、今年5月までに中(チュン、중)区に「釜山エンジニアリングセンター」を設立する。ハンファオーシャンは、HD現代重工業、サムスン重工業と並び、韓国造船業界の3大企業の1つとされる大手企業である。

 

今回設立される釜山エンジニアリングセンターでは、深海の天然ガス・石油などの資源を採掘する海洋プラントや、艦艇・潜水艦などの特殊船舶の設計を主に手掛ける予定だ。センターの延床面積は1,320㎡で、初期段階では、海洋・特殊船舶分野の設計技術者150人が勤務する。さらに、ハンファオーシャンは2027年までに、設計技術者を350人追加採用する計画だ。

 

このように、釜山への韓国内外の大手企業による投資の活発化は、釜山市が不要な規制を取り除き、多様な支援事業を積極的に進めてきた成果である。特に、市は昨年9月にワンストップ企業支援センターを拡充・改編し、企業が直面する規制や課題を迅速に解決してきた。