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釜山初のクラシック専用ホール「釜山コンサートホール」初公開

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釜山コンサートホールに設置された壮大なパイプオルガン。「楽器の王様」と称されるパイプオルガンの設置は、韓国内で4例目、首都圏以外では初となる。 (出典:権晟勲)


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大ホールの全景(出典:釜山日報), 小ホール(出典:権晟勲), 多目的リハーサル室(出典:権晟勲)


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釜山コンサートホールの全景


釜山初のクラシック専用コンサートホール「釜山コンサートホール」が、今年2月に初めてその姿を現した。

釜山鎮 (ジン、진) 区の、釜山市民公園北門近くに位置する釜山コンサートホールは、延床面積19,862㎡、地上3階・地下1階規模の大型コンサートホールだ。メインスペースとなる大ホールは、地下1階に686席、1階に1,024席、2階に279席など、合計2,011席を備え、首都圏以外では最大規模を誇る。

さらに、ドイツのベルリン・フィルハーモニーホールや日本のサントリーホールなど、世界的なコンサートホールのようなヴィンヤード形式で設計されている。このヴィンヤード形式とは、ぶどうの段々畑のように、ホールの中央に舞台を配置し、その周囲を観客席で囲む形式のことを指す。この構造により、どの座席からでも豊かな音響を楽しめるのが特徴である。

加えて、韓国で4番目、首都圏以外では初となる、パイプオルガンも備えている。パイプオルガンとは、さまざまな長さの管を音階順に並べ、風を送り込んで音を出す鍵盤楽器だ。また、パイプと音色を変えるストップ(音栓)を組み合わせることで、多彩な音色を生み出すことができ、「楽器の王様」とも呼ばれる。

今回、釜山コンサートホールに設置されたパイプオルガンは、パイプの数が4,406本、ストップの数が62個あり、ドイツのメーカーである「Freiburger社」によって製作された。さらに、パイプオルガンのほかにも、最適な音響を実現するために設計された、客席の椅子・音響反射板・舞台下の自動制御システムなど、細部に至るまでクラシック公演のための理想的な環境が整っている。

また、大ホールのほかにも、小ホール・多目的リハーサル室・ロビーなどが備わっている。小ホールは400席規模で、室内楽の演奏が可能だ。また、多目的リハーサル室は、練習室・楽屋・イベントルームなどとして使用される。そして、カフェスペースとして設計されたロビーは、公園を望む開放的なデザインで、前面がカーテンウォール構造になっている。

なお、釜山コンサートホールは6月20日に正式に開館する予定だ。これを記念し、6月20日から6月28日まで「開館フェスティバルプログラム」を開催する。その中でも、6月20日から21日には、鄭明勲(チョン・ミョンフン、정명훈)芸術監督が自ら指揮を執る。また、庄司紗矢香(バイオリン)、ジャン・ワン(チェロ)らが参加し、ベートーヴェンの代表曲「三重協奏曲」や「交響曲第9番」などを披露する。

さらに、6月22日には、バイオリニストのイグデスマンとピアニストのリチャード・ヒャンキ・ジューが、クラシックを家族で気軽に楽しめる、ファミリーコンサートを開催する。同日、ピアニストの趙成珍(チョ・ソンジン、조성진)のリサイタルも行われる。翌6月23日には、ピアニストのソヌ・イェゴン(선우예권)が、アジア・フィルハーモニー管弦楽団とともに室内楽の演奏を披露する。

続いて、6月24日には、オルガニストのチョ・ジェヒョク(조재혁)が、パイプオルガンの豊かな音色を楽しめる「オルガンリサイタル」を開催する。演奏曲目は、ベートーヴェンの「交響曲第5番」とムソルグスキーの「展覧会の絵」だ。

さらに、6月25日には、チョン・ミョンフン芸術監督が、APOとともに室内楽の演奏を指揮する。そして、6月27日から28日の最終公演では、ベートーヴェン唯一のオペラ作品である「フィデリオ」を披露する。この公演には、釜山市立合唱団、国立合唱団、エリック・カトラー(テノール)、フラチュヒ・バセンツ(ソプラノ)など、韓国内外のトップクラスの声楽家たちが出演する。

また、下半期には、音楽愛好家からの注目を集める来韓公演が連続して開催され、世界的に有名なオーケストラが釜山を訪れる予定だ。まず、作家のベルナール・ウェルベルが解説者として参加するセジョン・ソロイスツの公演が8月30日に行われる。続いて、イタリアの名門楽団であるミラノ・スカラ座管弦楽団が、9月18日にチョン・ミョンフン芸術監督と共に共演する。さらに、ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団の公演が10月17日に予定されており、世界3大オーケストラの1つとされるロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団も、11月9日に釜山での公演を予定している。

なお、開館フェスティバルプログラムのチケット予約は、クラシック釜山の公式サイト(classicbusan.busan.go.kr)にて、オンライン予約可能。具体的な日程は後日発表予定となっている。その他の問い合わせは、クラシック釜山の公演企画チーム(051-640-8822)まで。また、釜山コンサートホールの運営を担うクラシック釜山は、釜山市の傘下機関であり、2027年に開館予定の釜山オペラハウスの管理・運営も担当する予定だ。


○ 施設名:釜山コンサートホール(Busan Concert Hall)

○ 住所 :釜山市 釜山鎮区 東平 (トンピョン、동평) 路 250 釜山市民公園内

○ 規模 :19,901㎡(地下1階・地上3階)

○ 施設概要 :大ホール(2,011席)・小ホール(400席)・パイプオルガン(首都圏以外の地域初)

○ 内容 :クラシック公演・教育プログラム・カフェ運営 など