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「釜山の道を歩く」 乙淑島(ウルスクト、을숙도)

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乙淑島生態公園の全景


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乙淑島生態公園の遊歩道



春の足音が近づいている。寒さは和らぎ、日差しはまだかすかだが、どこかぬくもりを感じる。少し早く顔を出した新芽が、街にささやかな彩りを添えている。こんな日は、ふとどこかへ出かけたくなる。

 

釜山の西に位置する洛東江(ナクトンガン、낙동강)河口の乙淑島(ウルスクト、을숙도)は、この時期、散歩にぴったりの場所だ。さわやかな風が吹く川辺、広々と広がる緑の平原、自然の息吹を感じる湿地など、多彩な自然風景が整備された遊歩道に沿って広がっている。

 

約8万㎡の広さを誇る乙淑島は、さまざまな動植物が生息する生命の宝庫だ。1950年代にはアジア最大規模の渡り鳥の飛来地だった。今もオオハクチョウやノスリなど、多くの渡り鳥が集まってくる。1990年代には一時、ゴミ埋立地として利用され、渡り鳥の姿がすっかり見られなくなったが、2000年代に入り生態系復元事業を経て現在の姿となり、再び渡り鳥が戻ってきた。

 

乙淑島は「生態系の宝庫」であるだけでなく、「文化・芸術の場」としても有名だ。中央を横断する道路を境に、南側は渡り鳥公園、北側は生態公園である。渡り鳥公園が、動植物のための静かな憩いの場だとすると、生態公園は、市民が都会のけんそうから離れ、自然と文化を一緒に楽しめる癒しのスポットだ。

 

2018年、この場所に開館した釜山現代美術館は、乙淑島の自然と調和するよう、美術館の外観からして特徴的だ。「垂直庭園」という作品名を持つこの美術館は、壁面を覆うように青々と茂る植物が行き交う人々の視線を引きつける。


ここでは、映像・音・光など多様な素材を活かした、最先端のアートを鑑賞できる。ある時は、見とれてしまうほどの華やかさで、またある時には、社会の核心を突くメッセージで観客を驚かせる。

 

釜山現代美術館の北東には、もう一つの文化空間である「乙淑島文化会館」がある。演劇・舞踊・音楽などの公演が行われるホール、美しい芸術作品が並ぶ展示室、臨場感あふれる公演が体験できる野外ステージや、文化講座など、多彩な文化芸術を楽しめる空間が整備されている。


そして、会館周辺には、彫刻公園や韓国水資源公社の水広報館など、観光施設があり、家族連れの憩いの場としても利用されている。生態公園内には、他にも、乙淑島多目的室内生活体育館、洛東江文化館、洛東江河口堤展望台、国立青少年生態センターなど、様々な施設が訪れる人々を楽しませてくれる。


また、屋外の新鮮な空気の中で運動したい人には、人工芝のサッカー場、フットサル場、ゲートボール場、子供用の野球場など、多様なスポーツ施設も整っている。

 

次の週末は、文化とレジャーを思いきり満喫し、自然の中で癒される休日を過ごしてみてはいかが?

 

◎アクセス

都市鉄道1号線下端(ハダン、하단)駅から市内バス58、58-1、58-2などに乗車し、乙淑島文化会館または乙淑島生態公園で下車 → 乙淑島文化会館の裏手



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釜山現代美術館


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乙淑島文化会館と彫刻公園