気をつけよう!現在流行しているウイルス感染症の予防法
韓国全土で、インフルエンザやノロウイルスなど、冬に流行する感染症が猛威を振るっているが、ヨーロッパ・中東・東南アジアなど海外でも、麻しん患者の数が急増している。こうしたウイルス性疾患にかからないために、どのような予防策が必要か詳しく見ていこう。
■ インフルエンザを防ぐには「こまめな手洗い」が基本
インフルエンザとは、インフルエンザウイルスによる感染性の呼吸器疾患だ。急な高熱・頭痛・筋肉痛・悪寒などが代表的な症状で、免疫力が低下している場合には、肺炎や中耳炎などの合併症を引き起こすことがある。症状が重い場合には入院が必要になることもあり、最悪の場合、死に至るケースもある。
インフルエンザは、感染者の咳やくしゃみによる飛沫や、ウイルスが付着した物などに触れた後、目・鼻・口などを触ることで感染する。予防には、30秒以上かけて石けんで手を洗い、しっかりと水で洗い流すことが大切だ。また、洗っていない手で目・鼻・口を触らないように注意が必要だ。
室内では、2時間ごとに10分間換気を行うのが効果的。熱や咳が出る場合は、病院を受診しよう。咳をする際にはティッシュや服の袖で口と鼻を覆い、飛沫の拡散を防ぐようにすること。また、ワクチンの接種も推奨される。
■ 食品を加熱してノロウイルスを予防
ノロウイルスは急性胃腸炎を引き起こすウイルスで、感染すると短くて2日、長くて3日ほど嘔吐や下痢などの症状が続く。頭痛・発熱・悪寒・筋肉痛などを伴うことも多い。通常、2〜3日で回復するが、5歳未満の子どもや65歳以上の高齢者、免疫力が低い人などは、深刻な脱水症状を引き起こすことがある。また、ウイルスに汚染された食品を摂取したり、感染者の便や嘔吐物などに直接触れることで感染する。
ノロウイルスには予防用のワクチンがないため、日常的な予防対策がとても大事になる。食品、とくにカキや貝などの魚介類は85℃以上の熱で十分に加熱して食べよう。野菜や果物は、水道水に2分以上浸した後、流水でよく洗ってから食べることが望ましい。
トイレ使用後は、必ず便器のフタを閉めてから水を流し、便や嘔吐物が付着した場所は、塩素系漂白剤などで消毒しよう。衣類や寝具が汚れた場合は、50℃以上の熱いお湯で洗濯するのが効果的だ。
■ 海外旅行前には麻しんワクチンの接種を忘れずに
麻しん(はしか)は、咳やくしゃみなどを通じて空気感染する感染症だ。感染初期には鼻水・咳・結膜炎の症状が現れ、口の中に白い斑点ができるのが特徴だ。時間が経つと、突然高熱が出て体全体に小さな赤い発疹が広がる。しっかりと休めば回復するが、まれに肺炎・脳炎などの合併症を引き起こすことがある。
だが、麻しんはワクチン接種で十分に予防することが出来る。生後12~15か月と4~6歳の幼児は、MMRワクチン(麻しん・おたふくかぜ・風しん混合ワクチン)を2回接種する必要がある。海外旅行を計画している場合は、事前にワクチン接種状況を確認しよう。
ワクチン接種を受けておらず、過去に麻しんにかかったことがない人、また、1回しか接種していない人は、出国の4〜6週間前までに4週間の間隔を空けて、2回接種を受けることが推奨される。