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新型コロナウイルス感染症に対処する成熟した市民の意識

張哲熏(チャン・チョルフン)

釜山大学校 医学部
診断検査医学科 教授
大韓臨床微生物学会 理事長

7-1-2 장철훈 교수 사진
 

世界保健機関(WHO)は3月17日、新型コロナウイルス感染症(コロナ19)のパンデミック(世界的大流行)を宣言した。今、世界は感染症と戦っている。このような状況下で、われわれ一人一人は感染症にどう対処すべきなのか。国は違えど、韓国も日本も同じ危機に直面している。釜山市の日本語新聞・ダイナミック釜山は、この問題について専門家に意見を聞いた。


コロナ19が全世界を恐怖に陥れている。重症急性呼吸器症候群(SARS)や中東呼吸器症候群(MERS)の発生前から、コロナウイルスは風邪の原因として知られていたが、その他の深刻な感染症を引き起こすことはなかった。しかし、野生動物に由来した変種ウイルスが人間の体内に入り、前例のない致死率を示す病原体として、再び世間を騒がせることになったのだ。


感染症の大流行には長い歴史がある。過去のペストやスペイン風邪、20世紀半ば以降のアジア風邪、香港風邪、エイズが挙げられる。今世紀に入ってからはSARSや新型インフルエンザ、MERS、ジカウイルス、エボラ出血熱などに続き、今回のコロナ19まで頻繁に発生している。


個人の衛生管理と健康管理から
地球の健康とともに追及を


新たな感染症のほとんどは、人間が作り出した災難だ。人口増加や大規模な家畜の飼育、森林破壊、気候の変動、交通の発達など全ての要因が原因となっている。以前は人体に入ることが稀で、入っても小規模感染で収まっていた病原体が、交通の発達や科学技術の発展により、以前に比べはるかに拡散と伝播(でんぱ)が速まる時代となった。専門家は感染症の大流行と大規模な感染症の発生期間が短くなりつつあるため、「If(もしも)」ではなく「When(いつ)」起こるかわからない問題だと予測している。


では、感染症の大流行を遮断する方法は何か。専門家はその答えを「ワンヘルス(One Health)」に見いだしている。地球は人間や動物、環境が全て一つにつながっている場所だ。人間の健康だけを治療する観点では、人類を感染症から救うことはできない。新型コロナウイルス感染症は野生動物に由来したものが多い。医療陣とともに環境学や獣医学、情報技術などさまざまな分野の専門家が統合的に努力し、あらゆる生命体の健康を追求する「ワンヘルス・アプローチ」を実現することで感染症の出現をより前の段階で統制できると考えられる。


疾病を通して人間社会への影響を説いた歴史書「世界を変えた12種類の疾病」の翻訳出版もある立場としては、感染症が発生した時と日常、2種類の行動方式を提示したい。感染症が発生したら、拡散防止に積極的に賛同しなければならない。政府はこのような状況が発生した際、専門家の意見を基に最善策を構築し、われわれはその対策にあわせて最大限協力する義務がある。過度な不安を抱いたり、特定の集団や人物を標的に差別したりするような行為はしないことだ。何よりも他人との接触を減らし、個人の衛生管理を徹底した上で、公共のマナーと政府が提示した規則を守る。


7-1-메인-코로나19클린존-부산일보

△写真は釜山広域市の「クリーンゾーン」認証された、同市内のある飲食店の様子。クリーンゾーンとは釜山市でコロナ19の感染者が立ち寄った店の防疫・消毒処理を行い、安全な空間であることを知らせるもの。


日常では適度な運動と衛生習慣の順守など、個人の免疫力強化と健康維持のための努力が重要になる。自身が病気にならないことが、周囲の人々のためにもなるからだ。もう一つは、日頃からよりよい地球環境を築くための努力が必要となる。手を拭く際のティッシュや入浴時のタオルは使用枚数を1枚にし、使い捨て用品の無駄遣いを減らす。多少の不便さはあっても、すでに社会の常識として認識されている方法で地球と環境を保護することだ。特に戦争や火災に備えた民間の避難訓練や消防訓練のように、感染症に備える「検疫訓練」が必須となる。今回の危機が、検疫訓練を定期的に行うきっかけとなることを願っている。


感染症の危機は現実だ。現在直面している感染症を克服し、未来の感染症を予防するための市民の意識と協力が切実な時なのだ。