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釜山の味⑤ 釜山を代表するご当地グルメ、ミルミョン

6-1 밀면

-釜山の人々に愛される夏のグルメ「ミルミョン」は、小麦粉で打った麺に冷たい肉のスープをかけ、その上にゆで肉や細切りの野菜、赤いヤンニョムをのせて食べる。徐々に汗ばむ陽気となる初夏のこの時期にぴったりのグルメだ。


胸のすくような清涼感、甘酸っぱくピリ辛な風味に大満足


気温が徐々に上がり、冷たくさっぱりとしたものが食べたくなるこの時期にぴったりな釜山のご当地グルメ・ミルミョン(冷たい小麦麺料理)。さっぱりとしたスープとしこしこの麺に加え、トッピングされた薄切り肉との組み合わせも絶妙だ。甘酸っぱくピリ辛なヤンニョム(タレ)が食欲をそそり、汗ばむような暖かい春の日には特に食べたくなる一品。今月号ではさっぱりと食べられる釜山のミルミョンを紹介したい。


ミルミョンは麺やスープ、トッピング、ヤンニョムでワンセットとなっており、さっぱりとしたスープの「ムルミルミョン(水ミルミョン)」とピリ辛のタレを混ぜて食べる「ビビンミルミョン」がある。韓国では一般的な「ククス(麺類の総称)」よりも太麺で、歯ごたえがあるのが特徴だ。スープは牛骨や牛の胸肉を煮込んでいるためコクがあり、トッピングは主にゆでた牛肉や豚肉に加え、ゆで卵、薄切りのキュウリ、ナシ、大根の千切りなど。ヤンニョムはコチュカル(唐辛子の粉)がベースで、ピリッと辛く甘酸っぱい。これら全ての材料がバランスよく調和し、清涼感があり、甘酸っぱくピリ辛な風味が味わえる。


ミルミョンは2009年に釜山広域市の代表ご当地グルメに指定され、1950年代前半の6・25戦争(朝鮮戦争)の時期に釜山で誕生した。戦時中、米軍の援助などで比較的手に入りやすかった小麦粉にでん粉を混ぜて打ったことから、「ミルミョン」という名前がついた。当時、北朝鮮から戦火を逃れて釜山にたどり着いた多くの避難民は、自身の郷土料理である冷麺を売って生計を立てていた。冷麺はそば粉にジャガイモなどのでんぷんを加えて作るが、戦時中で冷麺の材料が手に入りづらかったことから、救援物資として支給されていた小麦粉で麺を打ち始めたのが現在の「ミルミョン」のルーツだ。


■内湖冷麺

釜山のミルミョン紹介で外せないのが、釜山ミルミョン発祥の店「内湖冷麺(ネホネンミョン)」だ。同店の歴史は、現在の北朝鮮の咸鏡南道(ハムギョンナムド)興南(フンナム)市内湖里に1919年にオープンした「トンチュン麺屋」という冷麺店にルーツがある。トンチュン麺屋の主人が朝鮮戦争時、LST(米軍の輸送船)に乗って釜山に降り立ち、1953年に「内湖冷麺」を開業。故郷を懐かしむ思いから「内湖冷麺」という店名がついた。現在では4代目の店主が跡を継ぎ、店を経営している。


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-釜山で初めてミルミョンを提供したといわれる「内湖冷麺」。写真・権晟勲


内湖冷麺のミルミョンは冷麺と同じスープを使用しているため味が冷麺に似ており、牛骨スープにくず肉などを入れて煮込んでいる。長く煮込みすぎると味がしつこくなるため、強火で一度煮込んだ後、二度目は煮立ったらすぐに火を止める。ミルミョンと冷麺の違いは成分だけだ。冷麺はそば粉とサツマイモなどのでんぷんで麺を打つが、ミルミョンは小麦粉とサツマイモのでんぷんを7対3の割合で混ぜて打っている。サツマイモのでんぷんは小麦粉より高価なため、ミルミョンより冷麺のほうが高い。ビビンネンミョンの大は1万ウォン(約900円)、ムルミルミョンの大は7000ウォン(約630円)。


ここで、内湖冷麺のミルミョンをおいしく味わうための順番をいくつか紹介したい。まず注文が入るとその場で製麺してゆでるため、待ち時間に出される温かいスープを飲んで、胃の調子を整える。次につるっとしたのどごしを味わうべく、ミルミョンが出されても麺をハサミで切らないこと。3番目はミルミョン本来の味を味わうため、酢やからしを入れずに食べる。4番目に、ミルミョン本来の味を堪能した後は、お好みで酢やからしなどを入れて食べる。5番目は基本のおかずで出てくる大根の千切りを麺と一緒に食べる。

☆営業時間:午前10時30分~午後8時
☆住所:釜山市南区牛岩繁栄路26番ギル17

☆アクセス:都市鉄道1号線凡一(ボミル)駅8番出口から歩いて120mほど直進し、凡一駅停留場からマウルバス「南区3」に乗車。東港聖堂(トンハンソンダン)停留場で下車。



■海雲台カヤミルミョン

海雲台(ヘウンデ)海水浴場近くの「海雲台カヤミルミョン」は、釜山以外の地域から訪れる常連客も多い人気店。同店のスープは牛の胸肉やすね肉、鶏の足に加え、各種韓方薬を使用して60時間以上煮込み、1年以上寝かせて熟成させたオリジナルのスープだ。さっぱりとしていながら深みのあるスープは一度食べたらやみつきになる。ミルミョンが辛い場合は、マンドゥ(韓国式ギョーザ)と一緒に注文するのがおすすめ。価格はミルミョンが7000ウォン(約630円)、マンドゥ5000ウォン(約450円)。
☆営業時間:午前9時~午後9時
☆住所:釜山市海雲台区佐洞循環路27

☆アクセス:都市鉄道2号線中洞(チュンドン)駅10番出口から徒歩5分ほど。