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[釜山の味] ②ナクチポックム(手長ダコ炒め)

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-釜山の代表的な海産物料理「ナクチポックム」は、日本人でも無理なく食べられる辛さ控えめのメニューだ。タコだけでなくエビ、ホルモンなどと一緒に炒めて食べるのが定番。

「孤独のグルメ」もほれ込んだ、タコとホルモンのコラボ!


昨年12月31日、テレビ東京で放送された人気ドラマ「孤独のグルメ」の年末スペシャル版「孤独のグルメ2019 年末SP 成田~福岡~釜山出張編」の一幕で、印象的な一場面がある。俳優の松重豊が演じる主人公の井之頭五郎が出張で訪れた釜山で「ナッコプセ」を食べ、「辛く…ない!むしろ甘い。めちゃくちゃうまい。うま味しかない!」と心の中でつぶやくシーンだ。大みそかに急きょ福岡から釜山に向かった五郎の珍道中が描かれており、釜山市内をあちこち回りながら見つけた絶品グルメが登場する。同放送で最も注目を集めたのが、釜山のご当地グルメ「ナッコプセ」。タコやエビ、ホルモンを甘辛いタレで炒めた釜山を代表する海鮮料理だ。




労働者が好んで食べた「酒のおつまみ」
釜山を代表する海鮮グルメに


ナクチポックムは、タコを少しのスープで炒めて食べるのが基本。釜山発祥の料理ではないといわれているが、唐辛子やコチュジャンなどを入れ、ピリ辛の味付けで食べるのは釜山式だ。赤いタレ(ヤンニョム)で味付けされているため、一見辛そうに見える。店によって辛さは異なるが、見た目よりマイルドな味で、食べやすいのが特徴だ。釜山では別名「チョバンナクチ」とも呼ばれている。1960年代まで釜山広域市東区凡一(ボミル)洞一帯(現在の西面近く)の朝鮮紡織(チョソンバンヂッ)前の表通りにあった飲食店に由来する呼び方で、「チョバン(朝鮮紡織の略語)前のナクチポックム」という意味だ。


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チョバンナクチを最初に出した店は、1963年にオープンし、現在3代目が経営する釜山市東区凡一洞の「元祖ナクチポックムハルメチッ」が知られている。同店が朝鮮紡織をはじめとする近くの工場に勤務していた労働者に一風変わったおつまみとして、ゆでたタコを提供したのが始まり。その後、ゆでたタコをヤンニョムで味付けしてほしいという客の要望に応え、唐辛子ベースのヤンニョムを加えて提供したのが今の釜山式ナクチポックムのルーツとなった。


ナクチポックムの専門店には、通常、メニューが4種類ある。タコだけが入った基本のナクチポックム、エビかホルモンを追加するメニュー、もしくはどちらも追加するメニューだ。具材を追加するメニューの名前は各材料の頭文字を取って、ナッコプ(タコ+ホルモン)、ナクセ(タコ+エビ)、ナッコプセ(タコ+ホルモン+エビ)と呼ばれている。


タコにホルモンやエビ、お好みで注文可
最後にうどんやご飯を入れて食べてもOK


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-飯の上にナクチポックムやニラ、豆もやしをのせ、のりのふりかけをかけた「釜山式」のナクチポックム。


店ではメニューを注文するとキムチや豆もやし、ニラ、刻んだ韓国のり、水キムチなどが出てくる。テーブルの真ん中に簡易ガスこんろが置かれ、その上にナクチ、タンミョン(ジャガイモのでんぷんで作られた麺)、野菜、タレが入った鍋がセットされる。店のスタッフが食べ頃になるまで煮込んでくれるので、調理の心配は無用だ。


ナクチポックムが煮立ってくると、大きな金属製のボウルに入ったご飯が出てくる。鍋は約5分間ぐつぐつ煮込めばできあがり。食べ方は好みによるが、ナクチポックムとご飯を別々に食べる方法と、ナクチポックムとおかずをご飯に混ぜて食べる方法がある。


釜山ではおかずと料理を混ぜて食べるのが主流だ。まずご飯の上に豆もやしやニラを少しずつのせる。そこにナクチポックムをおたま1杯ほど加え、刻んだのりをふりかけて食べる。店によっては目玉焼きを提供するところもある。豆もやしやニラを混ぜて食べることでシャキシャキとした食感が楽しめ、いいアクセントになる。


ナクチポックムの価格は7000ウォン(約700円)ほど。追加でエビやホルモンを注文すると、1000~2000ウォン(約100~200円)プラスになる。1万ウォン(約1000円)ほどする店もある。
最も有名な店は、ナクチポックムの元祖といわれる「チョバンナクチ凡一直営店」。都市鉄道1号線凡一駅2番出口を出て、最初の細道を左に曲がる。さらに200mほど直進すると左側にある。(電話番号:051-637-1001)


「孤独のグルメ」のロケ地になった「五六島ナクチポックム」は、釜山市南区UN平和路13番ギル8。都市鉄道2号線大淵(テヨン)駅3番出口を出て、釜山銀行の角を曲がる。大通り(UN平和路)に沿って130mほど直進し、左側の細道に入ると店がある。(電話番号:051-627-1473)